<センバツここに注目>天理・内藤大翔 胸に刻む元Jリーガーの父の教え 選抜高校野球
3月18日に開幕する第94回選抜高校野球大会。球春到来の舞台で、活躍が期待される投打の注目選手を担当記者が紹介します。6回目は天理(奈良)の内藤大翔三塁手(2年)。元Jリーガーの父を目標に、昨春に続いて甲子園に挑みます。 【過去には小芝風花さんも】センバツ応援イメージキャラクター ◇父の教え「徳を積むことも大事やで」 スポーツ選手として目標の人がいる。父・就行(なるゆき)さん(54)。サッカーJ1の鹿島などで活躍した名ディフェンダーだった。 父の考えは「何でもいいから自分が選んだもので一番になろう」。Jリーガーの長男として生まれ、サッカーにも親しんだが、小学校時代から始めたソフトボールでレギュラーになり、中学から硬式野球を始めた。 J1通算196試合に出場し、リーグ優勝にも貢献した父の現役時代の実績は、高校生になって取材を受けるようになり知った。今は競技こそ違うが身近なお手本だ。幼少のころ、ランニングに出かけた父が袋いっぱいにゴミを拾って帰って来た。「汚いから持って来んといて」と当時は思ったが、「徳を積むことも大事やで」と話した父の言葉の意味が今なら分かる。 4番打者として、昨秋の公式戦8試合で打率4割3分3厘、2本塁打、10打点の好成績を残した。将来的にはプロ入りが目標で「野球で家族を養い、ご飯を食べたい」と力を込める。 J3宮崎のアカデミースタッフとして働く父に週1回の電話で、アドバイスを求めることがある。チームのまとめ方を聞いた時には「人一倍元気出して率先してやっていれば、ついてくるやつはいる。それが増えたらチームとして塊ができてくる」と答えてくれた。父は仕事でテレビ観戦しかできないが、甲子園ではその助言を胸に、チームの先頭に立って戦うつもりだ。【荻野公一】 ◇ないとう・やまと 福岡県出身。中学時代は奈良・生駒ボーイズに所属。昨春のセンバツも4強入りに貢献した。今春の目標は「甲子園で逆方向に本塁打を打つこと」。右投げ右打ち。 <次回は16日朝、広陵(広島)の内海優太外野手(2年)を公開する予定です>