魔法のような“ボールコントロール”はどのようにして生まれたのか ベルバトフが一風変わった練習方法を明かす 「サッカーボールを買うお金がなかったから……」
エレガントなプレイスタイルで世界を魅了
トッテナムやマンチェスター・ユナイテッドで活躍したストライカーのディミタール・ベルバトフは英『TalkSPORT』の番組である『The LineUp』にて幼少期の一風変わったトレーニング方法を明かした。 [動画]唯一無二のプレイスタイル マンU時代のベルバトフのスーパープレイ集 ベルバトフといえば、まず魔法のようなボールコントロールが思い浮かぶ人も多いのではないだろうか。189cmという大柄な体格だった同選手だが、足元の技術にも優れ、唯一無二の柔らかいボールタッチが魅力の1つだった。そのプレイスタイルは “エレガント”と称され、世界中のサッカーファンを魅了してきた。 そんなベルバトフの魔法のようなタッチはどこから生まれたのか。幼少期の一風変わったトレーニングが大きく関係していると語った。 「サッカーボールを買うお金がなかったから、サッカーボールはなかったけど、どこかにバスケットボールがあった。それは重いボールだったよ。タッチを極めたいという若い選手の話はあったが、誰もそんなことをしろとは言わなかった。私はただバスケットボールでやる必要があると感じただけなんだ。私は幼いころから、ボールを空中に投げて足でコントロールすることから始めた。そうやって自分のタッチをマスターしたんだ」 サッカーボールより重いバスケットボールでコントロールの練習をしていたことを明かしたベルバトフ。しかし、ベルバトフはある日練習で使っていたバスケットボールをなくしたようで、その後は誰も予想できないもので練習していたという。 「ある日突然バスケットボールが消えた後、私は豚の膀胱を使った。故郷では、特定の祝日に豚を屠殺(とさつ)するという伝統があったんだ。親戚が集まって盛大な食事会をした。でも豚を屠殺するときには膀胱を取り出していた」 「父は『おいで、ボールが欲しいか? ボールをやるよ』と言った。豚の膀胱を膨らませるとボールのようになる。でもぬるぬるしていたので、もっと安定させる必要があった。そこで、安定させるために布を巻き付けるとちゃんとしたボールに近い形になった」 サッカーボールを買えない環境で育ったベルバトフだが、よりコントロールが困難なものを代用して練習していたことがあの世界中を魅了したプレイに繋がっていたようだ。現代サッカーにもボールコントロールに優れた選手たちはいるが、ベルバトフのエレガントで魔法のようなボールコントロールは唯一無二のものだと言ってもいいだろう。
構成/ザ・ワールド編集部
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