HKT48センター抜擢、卒業、グラビア、お芝居…宮﨑想乃が悩んだ自身の立ち位置と活動軸
何もかも白紙になった卒業後
こうして7年間に渡るアイドル生活にピリオドを打ち、ひとりで新しい活動をスタートさせたのだが、当初はなにもかも白紙の状態だった、という。 「ずっとアイドルをやってきて、その中でグラビアだったり、いろんなお仕事をさせてもらっていましたけど、アイドルという看板が外れて、ひとりの宮﨑想乃という存在になったときに『私ってなにができるんだろう?』って。もちろん、いろんなことに挑戦しようと思って卒業したんですけど、じゃあ、なにがやりたいですか?と聞かれると、すぐに答えられないような時期がはじめのころはありましたね」 そんなときに出会ったのが舞台の仕事だった。 「じつは、グループに在籍していたときにもお話はあったんですよ。舞台に出てみませんか?とか、演技のレッスンを受けてみませんか?とか。でも、私、ずっと頑なに断り続けていて(苦笑)。それがせっかくだから、一度、やってみようと舞台に立ってみたら『あれっ、お芝居って楽しいじゃん!』って(笑)。これで完全に魅力にとりつかれて、いまでは私にとってなくてはならない存在になりました」 まさに新たな挑戦で、いままでわからなかった自分の適性を知ることができた。現在も活動の軸は舞台出演となっているが、そのタイミングでの写真集出版には、どのような思いがあるのだろうか? 「写真集はアイドルのときから、ずっとやりたかったんですよ。写真集かフォトブックを出してみたいなって。でも、あのころのHKT48ってほかに写真集を出しているメンバーがほとんどいなかったんですよね。もし、ほかに何人か出していたとしたら『私も! 私も!』ってアピールできたんでしょうけど、誰もやっていないのに『私が! 私が!』って言うのはちょっと恥ずかしいじゃないですか? だから、その想いはずーっと心の奥底に秘めてきたんです」 アイドルとしては実現しなかった写真集出版が、ついに現実のものとなる。ところが宮﨑想乃は意外な感覚でこの朗報を受けとめていた。 「とにかく不安で不安で仕方なかったんですよ……」
小島 和宏