丹野智文さん

　9月は認知症月間。病気への理解を深めてもらおうと、群馬県館林市では、パネル展示などの啓発イベントが開かれている。28日には若年性認知症の主人公を描く映画「オレンジ・ランプ」の上映会があり、モデルとなった丹野智文さん=仙台市=からのビデオメッセージが紹介される。 　映画は、妻と2人の娘と暮らしていた39歳の会社員が若年性アルツハイマー型認知症と診断されて――という内容。丹野さんの実話を元にした。今回のイベントに際し、市が依頼したところ、20分弱のビデオメッセージを寄せてくれた。 　自動車販売店に勤めていたが常連客の顔を思い出せずに怒られたこと、診断を受けて近い将来に寝たきりになるのではと不安に感じたことなど、自身の体験を語った。その上で、患者には「あきらめずに、自分の気持ちを他者に伝えること」、周囲の人には「本人の意見をよく聞くこと」を訴えている。 　市高齢者支援課の担当者は「映画ももちろんですが、メッセージが心に響きます。映画が終わっても帰らずに、ぜひ聞いてみて下さい」と話す。 　上映会は28日午後1時半から市文化会館カルピスホールで。無料だが、市内在住・在勤者が対象。事前申込制で先着1千人。上映会の他にも、高齢者や認知症の人の防災の備えをテーマにした防災士による講話（12日）、関連図書を集めた図書館の特別コーナー（29日まで）などがある。 　担当者は「自分の関心がある分野のイベントに行き、認知症に対する理解を少しでも深めてもらえたら」と話す。問い合わせは市高齢者支援課（0276・47・5131）へ。（水山和敬）