氷見、朝日で人口6割超減 2060年県試算、20年比 南砺、小矢部、上市、入善は5割ダウン
●ワンチーム会議で報告 富山県は22日、2060年までの県と県内全15市町村の人口推移の試算結果を公表した。20年時点と比較すると、60年人口はいずれの市町村も減少し、朝日町が67・2%減、氷見市が62・4%減と6割を超える減り幅となった。南砺市57・3%減、上市町55・3%減、入善町55・1%減、小矢部市51・5%減と4市町の減少幅も5割を超えた。県と市町村は人口減少対策で連携を強める構えだ。 富山市の高志会館で開かれた、新田八朗知事と15市町村長らが協議する会合「ワンチームとやま」連携推進本部会議で、県側が報告した。 県は13日、厚生労働省の研究所の推計を基に、何も対策を講じない場合、60年時点の県人口推計値が現在より30万人以上減となる62万~66万人台に減少するとの見通しを発表した。市町村別の試算も同様の計算式を用い、20年を基準とした場合の増減指数を10年ごとに算出した。 40年人口では、舟橋村が20年比で1・2%増となるのを除いて14市町が減少すると試算。50年人口では同村も減少に転じ、いずれも減少幅が拡大するとした。 ●富山25・3%、高岡38・2% 60年時点での富山市人口は25・3%減、高岡市は38・2%減となる。最も減り幅が小さいのは、舟橋村の8%減だった。 県内で歯止めのかからない人口減少の将来像が改めて示され、各首長からは危機感を募らせる声が相次いだ。 藤井裕久富山市長は「大変深刻な数字だ」と受け止め、県と市町村がワンチームとなって人口減少に向き合う必要性を強調。田中幹夫南砺市長は「社会保障の制度があっても、人材がいない社会が想定される」と指摘し、人口減によって今後引き起こされる問題を調査するよう県に求めた。 氷見市の菊地正寛市長は「女性の減少がなかなか止まらない。一度市外に出ても戻ってきやすい雰囲気づくりにも取り組みたい」と述べた。朝日町の笹原靖直町長は高校再編に触れ、22年の泊高の閉校を念頭に「地域にとっても総合的な視点から検討してほしい」と訴えた。