電力株急伸、女川原発再稼働に期待-みずほ証は3社目標株価上げ
(ブルームバーグ): 女川原子力発電所2号機の安全対策工事の完了を発表した東北電力をはじめ、みずほ証券が投資判断を引き上げた四国電力など電力株が軒並み高い。
東北電株は一時前日比12%高と、2013年5月以来の日中上昇率を記録。四国電株は5.4%高と18年9月以来の高値、関西電力株も5.2%高と07年12月以来の高値を付けた。TOPIX電気・ガス業指数は東証33業種の上昇率トップで、11年3月以来の高値で推移している。
電力株は、国内での半導体工場の建設や大手情報技術(IT)企業によるデーターセンターの建設計画が相次ぐ中、将来の電力需要増加への期待から好調な値動きが続いている。原発再稼働が本格的に進めば、電力企業の業績や株価にとってはさらなる追い風となる。
原発関連株に光、震災事故乗り越え再稼働機運-電力需要の拡大期待も
みずほ証は27日、東北電の判断を「中立」から「買い」に引き上げ、目標株価を1000円から1700円に見直した。新家法昌シニアアナリストらはリポートで、女川原発2号機の再稼働の見通しが立っていることや前期の第4四半期の決算を踏まえると、中長期的な収益力が高まっていると評価した。
関西電の目標株価も2400円から2900円に引き上げ、投資判断は「買い」を継続。原発の安定稼働により、将来の電力需要が増える局面にコスト競争力で相対的な優位性があると評価した。電力需要の増加局面で石炭火力に稼働増の余力があるとし、四国電の目標株価は1160円から1600円に変更した。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ケルビン・オン氏は「日本の原子力エネルギーの生産コストは、石炭火力よりも19%安く、液化天然ガス(LNG)エネルギーよりも27%安いため、原子力を強化することでマージンが改善される」と述べた。
--取材協力:Winnie Hsu.
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Momoka Yokoyama