あなたは緊急脱出用の「緩降機」を知っているのか?…韓国ホテル火災で浮き彫りになった「管理・訓練」の不足
【09月01日 KOREA WAVE】ソウルのアパートや宿泊施設に設置されている緊急脱出用の「緩降機」が、正しく管理されていないことが多く、市民の多くはその使用方法さえ知らない現状が浮き彫りとなった。特に最近、富川市(プチョンシ)のホテル火災で19人が死傷した事故後、緩降機の重要性に注目が集まっている。 緩降機は高層建築物で火災が発生した際、ロープを使用して安全に降下するための装置だが、多くの市民は普段は目にする機会が少なく、使用方法についても詳しく知らない。緩降機が設置されていても、しばしば収納家具の奥やカーテンの後ろに隠れているなど、緊急時にすぐ取り出せない場所に保管されていることが多い。 記者が訪れたソウル市内の宿泊施設では、緩降機の保管場所がテーブルの下にあり、ホコリが積もっていた。宿泊客の多くはその存在すら知らず、実際に使用しようとすると、ロープを取り出し、壁のフックにかけるだけで数分を要した。火災時の「ゴールデンタイム」である7分以内に脱出することは困難なようだ。 また、緩降機のフックを窓際の固定リングに取り付ける際、長期間使用されていないためリングが緩んでおり、力を入れて回さなければしっかりと固定されなかった。 一部の市民は、法的に緩降機を設置することが義務付けられていても、実際に使用できなければ意味がないと指摘している。消火器やAED(自動体外式除細動器)と同様に、学校や職場での緩降機使用訓練の機会が必要だとの声も上がっている。 専門家は、緩降機を利用する際にはいくつかの重要なステップがあることを強調している。使用前には支柱がしっかりと固定されているか確認し、降下中には腕を上げずに体を支えるようにする必要があると警告している。また、緩降機は常に目立つ場所に設置し、緊急時に迅速に取り出せるよう管理されるべきだとしている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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