『アンチヒーロー』飯田和孝P、最終話の見どころは38分超の法廷シーン「やっぱり最後の勝負は法廷ですべきだと」
長谷川博己さんが主演を務める日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系 午後9時~10時19分)の最終話(6月16日(日)放送)を前に、飯田和孝プロデューサーが約4年間、構想を温めてきた本作に込めた思いを語った。 【写真】法廷で対峙する明墨(長谷川博己)と伊達原(野村萬斎) 長谷川さんが演じるのは、「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士・明墨正樹。「弁護士ドラマ」という枠組みを超え、視聴者に“正義とは果たして何なのか?”“世の中の悪とされていることは、本当に悪いことなのか?”を問いかける、前代未聞の逆転パラドックスエンターテイメントだ。 12年前に起こった糸井一家殺人事件の犯人として、当時・検察官だった明墨から自白を強要された志水裕策(緒形直人)。その冤罪にいち早く気がついた同僚の桃瀬礼子(吹石一恵)の遺志を継ぎ、冤罪を証明すべく奔走してきた明墨ら。 しかし、唯一の証拠である動画は検事正の伊達原泰輔(野村萬斎)によって消され、さらには緋山啓太(岩田剛典)の事件について証拠隠滅罪に問われた明墨は逮捕されてしまう。最終話目前にして全く結末を予想できない展開となる中、飯田プロデューサーが最終話の見どころを語った。 ◆登場キャラクターたちの名前には“色”を表す漢字が入っていますが、何か意味は込められていたのでしょうか? 法律ドラマではよく“白か黒かをはっきりさせる”といった形容がされるので、そこに対して、一緒に名前で遊べると面白いのではないかと最初に考えたのがきっかけです。もともと、主人公の名前は明墨と決まっていて、企画をブラッシュアップする中で、明墨だけでなく徐々に「登場人物の名前には色を含めよう」という方向になりました。例えば、“檜山”という名字だったのを“緋山”に変えたり、沢原麻希(珠城りょう)の名前には“麻”の色の字を入れたり、統一したコンセプトに変えていきました。 ◆それぞれの色に対するイメージは? 明墨の“墨”は黒と白と曖昧な感じを出していて、赤峰柊斗(北村匠海)の“赤”は熱量の高さを、紫ノ宮飛鳥(堀田真由)の“紫”はそこにちょっと冷静さを足しつつも内に熱いものを秘めている。この3人の色を掛け合わせると、ドラマのテーマカラー・至極色になるんです。そこは狙っていた部分でもありました。白木凛(大島優子)は企画書では「お嬢様だけどそこに反発しキャバクラで働くもやめて、そこから事務所に入ってくる」という設定だったんです。いろいろと含みがありそうで、実は一番真っすぐな思いを持った努力家だと考えています。青山憲治(林泰文)の青は、どんな“青”なのか私もまだつかみきれていなくて(笑)。幅が広い色なので、どれを青とするかは人それぞれだと思うんです。例えば、TBSのコーポレートカラーを青という人もいれば、もう少し濃い色を青という人もいる。いろいろなものに溶け込める要素があると思います。