【ミスター・ル・マンが自らドライブ】ファンの心を繋ぎながら、マツダ787Bは今も走り続ける!
1991年のル・マンを制した787Bがデモラン
マツダは2021年11月に立ち上げたレーシングチーム『マツダ・スピリット・レーシング』の活動を軸に、現在、参加型モータースポーツを積極的にサポートしている。 【写真】マツダファンフェスタに登場した歴代レーシングカーたち (156枚) マツダ・スピリット・レーシングの名称には、過去にマツダが参戦してきたモータースポーツにおける『あきらめずに挑戦し続けた志』を受け継ぎ、チャレンジを楽しむユーザーや応援してくれるファンの心をつなぎながらスピードスポーツを盛り上げていきたいとの想いが込められている。 国内外のレースにおけるマツダ車の輝かしい戦績を挙げていったら、それだけで本稿が終わってしまう。しかし1991年の第59回ル・マン24時間レースでマツダ787Bが日本車初の総合優勝を果たしたことが、ファンにとって最も印象的なリザルトということになるだろう。 マツダ・ロータリーエンジンを搭載しているグループCレーシングカーの集大成として誕生したマツダ787Bは、マツダの開発陣と実行部隊であるマツダスピードが総力を挙げて開発。2023年のル・マン24時間レース100周年記念イベントにも招待され、他の名車たちと共にサルト・サーキットをデモ走行したことでも知られている。 去る10月19~20日に富士スピードウェイで開催された『マツダファンフェスタ2024』でも、マツダ787Bが官能的な4ローターサウンドを奏でながら走行。ホームストレートをはじめとする各ポイントで甲高い排気音を楽しむことができた。
ミスター・ル・マン、寺田陽次郎氏が787Bの走行を担当
マツダ787Bのデモランで素晴らしい走りを披露したのは『ミスター・ル・マン』こと寺田陽次郎氏。ステー・イベントにおいても、ル・マンに29回出場したドライバーならではの秘話でファンを楽しませた。 1947年生まれの寺田氏は、1965年にレースデビュー。1969年にマツダオート東京に入社し、社員ドライバーとして多くのレースに参加しながらマツダスポーツキットの開発にも尽力してきた。 1972年に東洋工業(現マツダ)の契約ドライバーとなり、市販車の開発にも寄与しつつ、1974年にシグマMC74マツダ(2座席オープンスポーツカー/12Aエンジン)でル・マン24時間レースに初出場。 1979年のRX-7 252iを経て、1982年の自身4回目のル・マン24時間レースでRX-7 254を走らせて初完走を果たした。 以後4回のクラス優勝を含め入賞は多数。2008年まで27年連続ル・マン出場というリザルト、実績を誇り、1995年の総合7位が自己最高位となった。