現役局アナが「学生アナウンスコンテスト」を開催 「TV界全体を盛り上げられたら」
『第2回ytv学生アナウンスコンテスト』決勝ステージが2日にYouTubeでライブ配信
読売テレビが主催する『第2回ytv学生アナウンスコンテスト』の決勝ステージの様子が2日、YouTubeでライブ配信される。また、地上波での放送も決定している。運営を担当する吉田奈央アナウンサーが、当コンテストに込めた思いなどを語った。 【写真】「ytv学生アナウンスコンテスト」の実際の様子 同コンテストは、読売テレビアナウンスセンターがアナウンサーに興味のある大学生・大学院生の夢を後押ししたいという思いから主催。昨年から開催されており、書類審査は行わず、エントリー動画とステージ審査などで受賞者を決定するというもの。 その本気度がうかがわれるのは、なんといっても現役アナウンサーによる一人一人へのフィードバックとスペシャルレッスンがある点だ。これが学生たちにとって貴重な体験になっているようで、今年は昨年を超える応募があったという。 ――まずは昨年の第1回についてうかがいます。学生たちの参加姿勢やアナウンス技術など、どう感じましたか。 「第1回なのでどれぐらいの人が集まるのかもわからなかったのですが、全国各地からたくさんの応募をいただきました。学生たちの熱意が伝わってきてうれしかったです。このコンテストは大学生と大学院生が対象なのですが、応募開始が3月からなので、春から大学生になる予定の高校生の方からも応募があって、1年生から大学院生まで幅広いエントリーがありました。私がアナウンサーを目指していた頃とは全然レベルが違って、みなさん、しっかりと準備されているなという印象でした」 ――学生たちも本気度が高かったと。 「参加者の多くはアナウンススクールに通っている学生さんですが、もちろん未経験の学生さんもいて、個性豊かにチャレンジしてくれていました。決勝ステージに来てくださった学生さんは、コンテスト当日のたった1日でも、ものすごく成長が感じられて、来た時と終わった時の顔が全然違うんです。声も出るようになったり、充実感にあふれることで表情も変わったり、若い時期というのは1日でこんなに成長できるんだっていうパワーを感じましたね」 ――そもそも、なぜこういったコンテストを現役のアナウンサーたちで立ち上げようと思ったんですか。 「若い世代の“テレビ離れ”が進む今、テレビ界全体を少しでも盛り上げられたらという気持ちもあります。その中でも、私たちはアナウンサーなので、アナウンサーを目指している人を後押ししたい、そして、アナウンサーを目指す学生さんを増やしたい、という気持ちで始めました。コンテストの企画提案からアナウンスセンターが行ったのは、読売テレビは初めてのことなんじゃないかと思います。『どういったコンテストにするのか?』というところから、みんなで考えて、それを社内の関係各所に『協力してもらえませんか?』と働きかけをして、本当に手作りのコンテストだと言えます。 アナウンサーって普段そういう経験をなかなかしていないので、いろいろな壁にぶつかりました。でも学生さんを後押ししたいという気持ちを伝えると、社内でも協力してくれる人たちがたくさん現れて、何とか去年の第1回を迎えられたという感じですね」 ――最初は手探りだったんですね。 「企画がスタートし、どんなコンテストにするか検討をしている段階で、学生さんのヒアリングを行ったんです。『どんなコンテストだったら参加したいですか?』と聞いたら、就職活動中って自分がうまくいったとしても、うまくいかなかったとしても、どこがうまくいったから今回は進めたのか? どこがあまりアピールできなくてダメだったのか? そういうフィードバックをもらえる機会がないから、それが欲しいという声をいただきました。ですから『ytv学生アナウンスコンテスト』では、フィードバックとその後のレッスンを大切にしようと考えたんです。自分たちの学生時代を振り返っても、確かにそういうアドバイスをもらえることはなかったなと」 ――フィードバックのアドバイス、学生からはどんな反応が返ってきますか。 「やっぱりこれまで振り返る機会がなかったから、それ自体が印象的でしたという声を結構いただきました。『最高の吸収の場でした』とか『かけがえのない経験の場でした』『背中を温かく押してもらえました』と言ってもらえたので、喜んでもらえたのかなと思っています。前回は決勝に進めた16人にフィードバックを行ったのですが、今年の第2回は、2次予選を作ってそこで前回よりもたくさんの人にフィードバックをする機会を作ったんですね。 それと、他の人へのフィードバックを聞くというのもすごく勉強になるとの声もいただきました。実際の採用試験では、他の人がどんなパフォーマンスをしているのかって知る機会はほとんどないですから。ちなみに、決勝の様子はYouTubeでLIVE配信もしているので、たとえ決勝に進めなくても、コンテストの様子を見て参考になることもあるのではないかと思っています」