中古スマホは環境負荷が9割減。フランスのZ世代が、あえて「中古家電」を選ぶ理由
「2021年以降、リファービッシュスマホをつかっています。当時は学生だったので予算を抑えたかったし、電子機器廃棄物の削減と持続可能性の促進にも貢献でき、責任ある消費をしたい私の価値観にも一致しているためです。使い心地は新品とほぼ変わらず、快適です。私の家族もリファービッシュスマホをつかっていますね。洋服、パソコン、カメラ、家電製品でも中古品を購入したことがあります」
「1年前からリファービッシュのMacbook Proを使っています。学生の私にとっては価格と品質のバランスが重要で、初めてリファービッシュ製品を選びましたが、使用した形跡もなく、バッテリー状態もよかったです。購入の決め手は価格で、エコフレンドリーは付加価値でした。私と同世代の人は、新品より中古やリファービッシュ製品を選ぶ傾向があると思います」
中古スマホが環境に与えるインパクトは?
Back Marketがフランス環境エネルギー管理庁(ADEME)と実施した調査によれば、リファービッシュ製品は、必要となる資源や二酸化酸素の排出量・電子ゴミが新品よりも9割ほど少ないという。
環境へのインパクトは非常に大きく、Back Marketでは創業以来、100万トン以上のCO2排出減に貢献しているそうだ。 EUでは、製品仕様における持続可能性要件の枠組みを設定するエコデザイン規則案の一環として、「デジタル製品パスポート(DPP)」の導入が決まっている。これは、デジタル製品の原材料調達、生産、流通、修理、リサイクルにいたるまで、一連の環境負荷情報や資源循環性の電子記録で、消費者や事業者がアクセスできる。 購買時の意思決定に役立つほか、中古品販売業者や修理業者が、必要な情報を得られることで資源の循環性が高まることが期待されている。リファービッシュ製品も、ますます普及していくだろう。 取材・文/小林香織