岸田政権「デジタル田園都市国家構想」の歴史と注目8銘柄
「田園都市国家構想」の歴史とは(イメージ画像:まちゃー/PIXTA)
足元のマーケットで起きている事象や注目テーマについて、過去の出来事との関連性を踏まえて徹底解説。株式投資についても歴史から学べることは多い。今回は新連載の第1回をお届けする。岸田文雄首相の「新しい資本主義」が論議を呼んでいる。首相は「小泉政権以来の規制緩和や構造改革など新自由主義的な政策は確かに日本経済の成長をもたらしたが、他方で格差と分断も生んできた。今こそ成長と分配の好循環による新しい資本主義の構築が必要」として、その柱の1つに「デジタル田園都市国家構想」を掲げている。 この言葉を聞いたとき、筆者は40年余り前を思い出した。当時、大平正芳首相(在職:1978年12月~1980年6月)が掲げていた「田園都市国家構想」である。 大平元首相は1979年1月の施政方針演説で、「都市の持つ高い生産性や良質な情報と、田園の豊かな自然や潤いのある人間関係とを結合させ、健康でゆとりのある田園都市をつくる」「それぞれの地域の自主性と個性を生かしつつ、均衡のとれた多彩な国土を形成する」と表明していた。 当時の日本は高度経済成長の終焉と第1次石油危機(1973年)後の不況下にあって、地方の見直しムードが高まっていた。「Uターン」という言葉が生まれ、「地方の時代」とも呼ばれた。千昌夫が「あの故郷(ふるさと)へ 帰ろかな 帰ろかな」と歌った「北国の春」が大ヒットしたのもこの頃だ。
本文:3,402文字
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岡田 晃