迫るMLBトレード期限。昨年はダルがタイムアップ寸前移籍も今年は無風?!
このところ得点力が下がっているオフェンスに関しては、8月14日に禁止薬物の使用違反で出場停止処分を受けているロビンソン・カノーが戻ってくるので、彼が起爆剤となる可能性はあるが、ポストシーズンには出場できないため、一時的な効果しかない。 問題の本質は、外野と捕手。ライトのミッチ・ハニガーが7月に入って息切れ。それ以前にセンターとレフトをギジェルモ・エレディア、デナルド・スパン、ベン・ギャメルの3人で回しているが、いずれも控えレベルでしかなく、オフェンスの足を引っ張る。打率2割に届かず、相変わらず三振が多い捕手のマイク・ズニーノも相手にしてみれば安牌。キャッチングが上手いわけでもなく、本塁打だけが魅力では・・・。 投手陣は、ブルペンはまずまずだが、先発が厳しい。マルコ・ゴンザレス、ウェイド・ルブランは嬉しい誤算となったが、エースのフェリックス・ヘルナンデスはシーズン通して不安定。先発ローテーションをいつ外れもおかしくないが、簡単に外すことができないだけに頭が痛い。代わって5月にノーヒット・ノーランを演じたジェームズ・パクストンが柱になれればいいが、彼はケガが多く、度々、戦列を離れる。 となると、トレードでローテーションの1、2番手を任せられる投手を補強したいところだが、狙っていたハップもハメルズもすでに移籍。そもそも、マイナーリーグのランキングが最下位(ベースボール・プロスペクタス 2018年2月13日付)では、他チームが欲しがるようなプロスペクトがいない。MLB.COMに掲載されているリーグ全体のプロスペクトトップ100に入っているのも一人だけ。これまで散々トレードを仕掛けたことで、もはや弾がない。 かといって動かなければ、遅かれ早かれ、アスレチックスに捉えられるだろう。 彼らはメッツからファミリアを獲った。一時期の力はないが、今年はプレーオフを狙う、というメッセージをフロントが送ったことで、チームは活気付いた。彼らはマリナーズと違ってプロスペクトが豊富。先発を狙ってさらに動くのではないか。 マリナーズに必要なのは、おそらくそうしたメッセージ性だろう。カブスに抜かれ、失速気味だったブルワーズもムスターカスを獲得。そこには、チームの本気度が現れている。 であれば、マリナーズは何ができるのか。