「転勤なし」の独身会社員です。転勤がある同期に給与を聞いたら結構差がありました。将来に備え「転勤あり」にして年収を上げたほうがいいですか?
Aさんは30代の会社員です。独身ですが、いい人に出会えれば結婚したいそうです。 地元が好きなので、「転勤なし」を選択しましたが、転勤がある同期に給与を聞いたところ、思ったよりも差があり、将来を考えて「転勤あり」にしたほうがいいか悩んでいるそうです。 そこで本記事では、転勤のある・なしで年収にどれくらい影響があるのかを見ながら、ライフプランの立て方をアドバイスします。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
「転勤なし」は「転勤あり」の90%、転勤手当は基本給の20%
厚生労働省「第6回「多様な正社員」の普及・拡大のための有識者懇談会 資料」でのアンケート調査によると、有転勤正社員(以下「転勤あり社員」)の転勤手当等について支給していると回答した企業が25%で、基本給に対する手当の比率は20.9%となっています。30万円の基本給であれば、転勤手当は6万2700円となります。 さらに、転勤あり社員の年収を100としたとき、転勤なし社員の年収はおおむねどの職位でも約90%であるとの結果を報告しています。転勤なし社員の年収が400万円なら、転勤ありはその1.1倍の440万円となります。
転勤ありにシフトする前に
このように、アンケート調査からは、年収に明らかな違いがあります。ただ年収で自分のキャリアプランをシフトさせる前に、転勤ありがライフプランにどんな影響を及ぼすか考えてみる必要がありそうです。 独身とはいえ、自分だけ、あるいは会社内の人間関係だけがすべてというものではないでしょう。学生時代からの付き合いや、趣味で知り合った仲間などで親しい仲間がいる場合には、転勤して新しい場所に移ることでプライベートの時間で一気に孤独感にさいなまれるリスクがあります。周りは知らない人ばかりで、生活習慣や言葉の使い方のちょっとした違いに戸惑うこともあるでしょう。 20代後半の方で、今時テレビやSNSで地方の言葉遣いや習慣などになじんでいるはずが、住み慣れた関西から関東に移り住んで、アウェー感を消化するのに想像以上の時間を有したという声も耳にします。 また、地方から都内に移り住んだ場合には物価の違いに苦労したり、慣れない土地で、日常生活の効率的な導線を確立するのに時間がかかったり、と仕事意外の面でストレスがたまるケースも多いでしょう。