「転勤なし」の独身会社員です。転勤がある同期に給与を聞いたら結構差がありました。将来に備え「転勤あり」にして年収を上げたほうがいいですか?
決め手は自分のパーソナリティー
年収といった数字上の目安は分かりやすいですが、自分にとって転勤を伴って環境が変わることのストレスがどれほど影響を及ぼすのかは、メンタル面や健康面も含めて、結局自分しか分からないものです。 また、「自分は新しい環境になじみやすい」のか「時間がかかるのか」は、ケース・バイ・ケースですし、ある程度時間がたってからようやく認識できる場合が多いです。 年収が上がっても、自分らしくいられなくなったり、ストレスがたまったりするようであれば、ストレス発散として、例えば喫煙や飲酒など思わぬ出費を招き、結局は家計的にはプラスにならなかった、などということもあるかもしれません。自分のこれまでの行動を振り返って慎重に検討するのがよいでしょう。
柔軟な考え方で対応する
新しい環境になじみやすいかどうか、というパーソナリティーは自分での振り返りによるところになりますが、どちらにせよ、ライフプランを考えるうえで重要なポイントは「柔軟な対応」です。 ライフプランはあくまで机上のプランで、毎日の生活の中では常に予期せぬ出会いやライフイベント、考え方を大きく変えなければならない場面に遭遇する可能性があります。 転勤ありを申請したら、早速なじみのない地域に赴任することになったり、将来独身だと思っていたら赴任先での出会いで結婚することになったり、結婚相手の実家に住むことになったり、などと数年前には想像もしていなかった展開になることは往々にして起こりえます。 最近は企業も合併などで変わったり、数年前のコロナ禍のような突然ライフスタイルの変更を余儀なくされたりすることが多くなっています。 「自分のライフプランはこうなるだろう」と決めつけず、「予期せぬ事態に置かれたときにベストの選択をできる」ように日頃から情報収集に努め、周りの人と意見交換をするなど、多くの選択肢を知っておくことも大切でしょう。 出典 厚生労働省 第6回「多様な正社員」の普及・拡大のための有識者懇談会 資料 資料2-2 「多様な正社員の処遇」の関連資料 執筆者:柴沼直美 CFP(R)認定者
ファイナンシャルフィールド編集部