あのちゃんが声優初挑戦でみせた表現力。“過去の壮絶体験”とリンクするようなシーンも
主題歌でのデスボイスや歌詞のギャップも生かされている
あのは2013年から2019年までアイドル・ガールズグループの「ゆるめるモ!」に在籍し、2020年からは「ano」名義でソロ活動を開始。2021年よりバンド・I'sのボーカル・ギターとして活躍するなど、音楽活動も飛ぶ鳥を落とすどころではない勢い。 テレビアニメ『チェンソーマン』のエンディングテーマとなったano名義の『ちゅ、多様性。』は累計ストリーミング1億再生を突破している。 そんなあのはライブのステージで、客席にダイブしたり、さらに客の上を歩きながら歌うといった派手なパフォーマンスもしているそうで、普段のマイペースなキャラクターとのギャップがある。また、いわゆる「シャウト」「デスボイス」を使うのも好きで、今回の『デデデデ 前章』の主題歌「絶絶絶対聖域」では、それを幾多りらにさせて“ワル幾田りら”を引き出したのだそうだ。 その「絶絶絶対聖域」の作詞を手がけたのも、あの(作曲はTK)だ。映画本編の内容に絶妙に絡んだ内容であることはもちろん、「革命前夜はあいつのキモいとこ言おう」なんて言い方が、気取らず本音で話すあのらしさ全開にも思えるし、初めこそ下世話で混沌めいた言い回しが、やがて「君」へ無償の愛情を捧げるような言葉に変わっていく様も、いい意味でのギャップと、やはり感動がある。
いじめに遭遇した経験を語ったことも
さらに、重要なのは今回の映画『デデデデ 前章』の後半の展開。主人公2人の小学生時代へと時間が遡り、あのが演じる凰蘭と、その友達である幾多りら演じる小山門出(かどで)は、共にいじめられっ子のような立場となっている。 あのは、『あちこちオードリー』で中学生時代にカッターナイフで攻撃されるなど過激化していくいじめに遭遇し、ある時に腕を掴んで「それやめないと、おまえの席がなくなるからな!」と一喝していじめをやめさせた経験を語っていたこともある。 さらに、あのは『あのちゃんの電電電波♪赤裸々電電人生ゲーム』で中学生時代の「クラスの全部の机をバーンとやって(ひっくり返して)、荒らしに荒らしまくった」「学校じゅうの先生が集まってきて、廊下の端から端まで、胸ぐらをグッてつかまれて『お前なんか学校来るんじゃねえ!』と言われた」「スクールバッグも隠された」と、壮絶な出来事を語っていた。