阪神育成ドラ2・福島に英才教育 お手本の近本を“密着取材”で全吸収 近本うなる「走る姿勢がいい」
「阪神春季キャンプ」(16日、宜野座) 阪神の育成ドラフト2位・福島圭音外野手(22)=白鷗大=が16日、1軍キャンプに合流し、近本光司外野手(29)から“英才教育”を受けた。同班での全体練習、その後の特守まで同じ時間を共有して憧れの先輩を質問攻め。近本から走り方を絶賛された。岡田彰布監督(66)も17日の練習試合・楽天戦(宜野座)から始まる対外試合で代走、守備固めでの起用を明言。虎のケインがサクセスロードを駆け上がる。 【写真】梅野 骨折以来188日ぶり対外戦出場へ「やることやる」「慣れというか、実戦感覚が大事」 一日中、福島は近本のそばにいた。打つ姿、走る姿から漂うオーラ。一流の一挙手一投足を間近で目に焼き付けた。 「目標とする選手。単純にすごいなぁ…というのと、独特な雰囲気を感じていました」 憧れだった選手とシートノックでは同じ中堅に入り、打撃練習、走塁練習も同班で実施。加えて、全体練習後の特守でも約15分間、中堅の守備位置で背走捕球の練習をともに行った。打球の落下地点まで一瞬の迷いもなく、一直線に走る近本を脳裏に焼き付けてすぐさま実践。「近本さんは無駄なくボールに入っていく。まず見てやっているという感じでした」とインプットとアウトプットを幾度も繰り返した。 ただ、見るだけでなく臆せず聞けるところが福島の貪欲さを物語る。近本にぶつけた質問は約10個。「見て、『どういうところを意識していますか?』という質問をしました」。技術面だけでなく使用しているスパイクなど道具の話題にまで及び、1軍合流初日から“密着取材”を敢行した。 近本は「よく質問してくるな…と」と、福島の向上心をひしひしと感じていた。1、2軍合同紅白戦はあったものの、じっくり動きを見るのは初めて。「走る姿勢がいい。背走に関して走れる姿勢でボールも見えているのでそういうところがうまいと思いました」。3年連続3度のゴールデングラブ賞を獲得している名手をうならせるほど、福島の動きはすでに洗練されていた。 福島の“英才教育”について岡田監督は「(近本と)一緒にやったらだいぶ違うというか、絶対あんなんプラスになると思う」と話した。まだ育成ながらも、足のスペシャリストになれる逸材として認めた選手。17日からは対外試合も始まる中、「七回以降ずっと、代走、守備固めで全部使う。(第4クールだけでなく)ずっと1軍に置いておくよ」と期待は高い。 佐藤輝、白鷗大の先輩の大山とも同じ打撃班で動き、主力選手とも打ち解けた。「もう挑戦していくだけですね。(盗塁の)スタートを切ることが大事だと思うので、もうそれだけですね」と背番号126。支配下、開幕1軍入りをつかむべく、がむしゃらにダイヤモンドを駆ける。 ◆福島 圭音(ふくしま・けいん)2001年10月6日生まれ。埼玉県秩父市出身。171センチ、72キロ。右投げ左打ち。外野手。50メートル走5秒8。遠投110メートル。秩父第一中から、鳥谷敬氏に憧れて聖望学園に進学。白鷗大4年時には主に「2番・中堅」を務め、23年度春季リーグは打率・526、20盗塁をマーク。同年度育成ドラフトで阪神から2位指名。名前の由来は母・真由美さんが大ファンというケイン・コスギにちなんだもの。 ◆阪神23年の代走盗塁成功率 代走で盗塁を成功させた選手は4人。島田、植田が3度企図しすべて成功。小幡も1度試みて成功させている。熊谷は4度企図し3度成功。合計11度のチャレンジで10度という高い成功率を残した。