「ゲームだからダメ」ではない! 生徒要望eスポーツサークル、地元企業や同窓会支援で実現 静岡県・相良高
牧之原市の相良高でコンピューターゲームなどの腕を競うeスポーツのサークルが始動した。公立高校では環境整備における費用面でのハードルが高い中、生徒の要望をきっかけに同窓会や後援会、地元企業が支援して実現した。 20日に行った設立式で、生徒は5人制の人気シューティングゲーム「ヴァロラント」に挑戦した。1人1台用意されたゲーム専用のパソコンとモニターを使用。マイク付きのイヤホンで会話しながら、攻撃の戦略や敵の位置を共有し相手チームに勝利した。生徒会長で3年の土屋旭さんは「ここまで充実した機材がそろうとは思っていなかった。協力してくれた人に感謝している」と喜んだ。 同校には部活動と兼ねて参加できるサークル制度があり、土屋さんは昨夏、eスポーツサークルの立ち上げを朝倉徹前校長に直談判した。同窓会と後援会が「学校の特徴的な取り組みになる」と賛同し、資金面で支援。地元の電気工事業者は機材を贈呈した。生徒もパソコンの選定や安価での入手方法を模索するなど積極的に準備に携わった。 土屋さんは「最初は否定的な先生もいたが、友人と連係しながら成長できる点を伝えた」と話す。八木健一同窓会長(74)は「『ゲームだからダメ』という姿勢ではなく、生かしていくことが大切。創造力の向上など教育的な価値がある」と語った。 同校によると、eスポーツの部活動およびサークルの立ち上げは県立高校では2例目とみられる。所属生徒は9人で、大会出場に向けて週1、2回の活動を想定する。
静岡新聞社