昨年“交通事故による死者数”が8年ぶりに増加…ドライバーの安全運転をサポートする技術を搭載した「自動車」とは?
◆車の安全性を高める先進安全技術を紹介
なお現在、乗用車、トラック、バスにおいて、実用化されている先進安全技術は合計で51あります。そのなかから杉浦が気になった3つを紹介します。 1:ペダル踏み間違い時加速抑制装置 駐車場などで発進するときや低速走行時、前方や後方に障害物があるにもかかわらず、アクセルペダルを強く踏み込んでしまった際、急発進や急加速を抑制してくれる機能で、新車の乗用車の場合、搭載率は9割です。 搭載されていない車には後付けの“ペダル踏み間違い急発進抑制装置”を取り付けることで同様の機能を利用できます。国土交通省では、一定の性能を有する後付け装置の認定をおこなっています。 2:レーンキープアシスト 走行する車線の中央付近を維持するようにアシストしてくれる機能で、車線から外れそうになったときにはドライバーに対して警報を鳴らして知らせたり、車線中央付近に戻るようにハンドル操作をアシストします。 また「レーンキープアシスト」+「前方車両の速度に合わせて一定の車間距離を確保しながら走行してくれる機能」を組み合わせることで、高速道路でハンドルから手を放すことを許容している車種も一部出てきています。しかしながら、この“ハンズオフ”と呼ばれる機能は自動運転ではなく、あくまでも運転支援であり、機能の限界はあります。ですので、即座にハンドルを握れる状態を保ち、従来の運転と同じように、よそ見をしないように注意しましょう。 3:EDSS(Emergency Driving Stop System) “ドライバー異常時対応システム”を意味する言葉です。ドライバーが体調変化などによって運転の継続が困難になったとき、ハザードやホーンを鳴らしながら車外に知らせて、可能な限り安全に減速・停止させてくれる機能です。もし走行中にこのような車を見かけた際は、車間距離を開けるなどの対応をしてください。
◆車選びは「自動車アセスメント」も参考に
安全・安心な車選びの重要な要素である先進安全技術ですが、参考となるのが「自動車アセスメント」です。これは、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(ナスバ)が共同で実施しているもので、市販されている自動車を対象に「衝突安全性能」「予防安全性能」「事故後被害軽減性能」の3つの観点から安全性能を評価して点数を公表するものです。 ・衝突安全性能 衝突時の乗員や歩行者の安全性への評価。実際に試験車を壁に衝突させたり、人の頭部を模擬したダミーをボンネットに衝突させるなどの試験で評価します。 ・予防安全性能 事故を未然に防ぐ技術への評価。さまざまなシナリオで実際に試験車を走行させて、先進安全技術の性能を評価します。 ・事故後被害軽減性能 事故の発生を自動的にコールセンターへ通報する装置の有無に対する評価。 なお、それぞれの評価の得点をすべて合計した総合評価において、最高評価を受けた車種には「ファイブスター賞」が、最高評価を受けた車種のなかでもっとも高い得点を得た車種には「ファイブスター大賞」が与えられています。普段乗っている車や購入を検討している車の安全性を確認したい方は、ナスバのホームページをご覧ください。 最後に塚田さんは「車の先進安全技術は、自分と周りの人たちの安全性を高めてくれる素晴らしいものですので、ぜひ皆さんに最新の技術について関心をもってもらいたいと考えております。しかし、あくまでも運転をサポートするものですので、限界があることを理解したうえで常に安全運転を心がけてください。ASVで快適なドライブを楽しみましょう!」と呼びかけました。 番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「先進安全自動車(ASV)」について復習。2人が特に注目したポイントをピックアップして発表します。まず村上は“車を選ぶときは自動車アセスメントを参考に!!”とポイントを挙げ、「じっくりと調べて、ASVがしっかり搭載されている車を選んでほしいです」と話します。一方、杉浦は“進化してます、先進安全自動車”と書き、「後付けできるものもありますし、いろいろ技術を理解する必要がありますね」とコメントしました。 (TOKYO FM「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」9月22日(日)放送より)