厚生年金「ひとりで月16万円」は多い?2024年度の厚生年金と国民年金や老後資産の増やし方も解説
厚生年金「男性で月16万円以上」ひとりで受給する人は何パーセント?
厚生年金の受給について、男性が月に16万円以上を受け取る割合はどれくらいなのでしょうか。また、平均受給額はどの程度なのかを厚生労働省の最新データから見ていきます。 ● 厚生年金の平均年金月額 ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金部分を含む 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、全体の平均受給額は月14万3973円でしたが、男性の平均受給額は16万円台になります。 さらに、男性のうち16万円以上を受給している割合は56.9%に達しています。
「国民年金(基礎年金)のみ」平均で月いくらか
一方で、国民年金(基礎年金)のみでの平均月額は5万6316円です。 厚生年金と比較するとその差は大きく、国民年金のみでは老後の生活を維持するのは難しいと言えるでしょう。
老後の資金対策は何から始めるか?
老後について考える際、公的年金だけでは不安を感じる方も多いかと思います。 厚生年金の受給額に焦点を当てましたが、実際には公的年金だけでは十分とは言い難い場合もあります。多くの方が貯蓄を切り崩しながら生活している現状もあります。 そこで重要なのが「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して、ご自身の受給予定額を確認することです。 「ねんきんネット」では、以下のことが実施できます。 ・ご自身の年金記録の確認 ・将来の年金見込額の確認 ・電子版「ねんきん定期便」の確認 ・年金の支払いに関する通知書の確認 ・国民年金保険料に関する通知書の確認 ・電子版「被保険者記録照会回答票」の確認 ・「ねんきんネット」による追納等可能月数と金額の確認 ・通知書の電子データをマイナポータルで受け取る設定 ・届書の電子申請 特に、ねんきん見込額のシミュレーションは、現役時代から計画を立てる上で重要です。 公的年金を増やすためには、以下のような選択肢が考えられます。 ・国民年金のみの場合、付加保険料を支払ったり、働き方を変えて厚生年金に加入したりする ・厚生年金の場合、年収を増やす ・老後の生活を調整して繰下げ受給を検討する 公的年金は「受給開始から生涯受給可能」な点が大きなメリットですが、不安を感じる方もいるでしょう。その場合は、預貯金に加えて資産運用を考えることも有効です。 資産運用には、新NISAやiDeCoなどの制度があり、初心者でも始めやすくなっています。自身に合った運用方法を見つけて、老後の資金を安定させる準備を始めてみることをおすすめします。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
齊藤 慧