柄物のTシャツはNG、府のPR関係はОK…大阪府が職員に年中カジュアルな服装認める「通年軽装化」
大阪府は今月、職員にカジュアルな服装を年中認める「通年軽装化」の取り組みを始めた。快適な服装を推奨して業務効率アップにつなげる狙いがある。スーツ姿が定番の「お堅い」公務員のイメージは変わるのか。 「職場の雰囲気が柔らかくなり、仕事でわからないことも聞きやすくなった」。セーターにチノパン姿で勤務する職員(22)はこう歓迎する。これまではスーツを着用していたが、皺にならないよう座り方にも気を使った。通年軽装化が始まった9日以降、同僚とはファッションの話題などで盛り上がることも増えたという。
府人事課によると、職員の服装については、内規で「不快感を与える華美、だらしのない格好は控える」とされており、特に内勤の男性職員はスーツ姿が多い。府はこれまでも「クールビズ」(5~10月)などで快適な服装を推奨しており、吉村洋文知事が11月の庁内会議で「(通年で)働きやすい方がいい」として導入を決めた。 どんな格好でもいいわけではなく、「TPO」(時と場所、場合)や露出度などに気をつける必要がある。同課は目安としてポロシャツ、セーター、タートルネック、チノパンなどは「OK」、短パンやタンクトップ、丈の短いスカートなどは「NG」としている。柄物のTシャツもNGだが、2025年大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」など、府のPRに関係するものは認めるという。目安で示されていないジーンズなどは、所属長の判断となる。
導入から1週間以上たっても、庁内ではスーツやジャケット姿が目立ち、職員には「上司がスーツなのに、部下がカジュアルな服装はしにくい」との声もある。吉村知事は「僕自身が率先して、ノースーツで仕事をしていく」と話している。 職員の服装の幅を広げる取り組みは全国で相次いでいる。 寒さの厳しい札幌市は10月から、暖かい服装での勤務を試行しており、担当者は「気温に合わせた装いで、快適に仕事ができている」と話す。
福岡県行橋市は、今年から「パブリックカジュアル」と名づけ、服装を原則自由化した。ジーンズやサンダルなどラフな格好は禁止で、来庁者と区別がつくよう、職員には名札を義務付ける。 東京都東村山市では、若手職員が職場改善策の一つとして市長側に服装の自由化を提案し、9月から実証実験を行っている。市民アンケートの結果を踏まえ、本格導入を検討するという。