クロスボーダーラグビー2024を支えた若者たち。
スポーツイベントのバックヤードには、ファンからは見えない人たちが大勢いる。 楽しみと感動を届けるプレーヤーの陰で、しなやかな舞台を支える。 国際イベントとなれば、その存在はさらに数が増える。文化の違う海外からやって来た人たちのリクエストに応えるマンパワーが必要となる。 クロスボーダーラグビー2024もそうだった(2月3日、4日、10日に4試合開催)。 ニュージーランドからやって来たスーパーラグビー・パシフィックの強豪、ブルーズとチーフスが、リーグワンの昨季トップ4と戦った。 同シリーズで、メディア対応スタッフやチームリエゾンを務めた人たちの中に若者たちがいた。 日本外国語専門学校(東京・高田馬場)に学ぶ学生たちだ。 リーグワンが同校の小島毅士先生を通じてインターンとしてのサポートメンバーを募った。 その結果、手を挙げた男女6人がラグビーの現場でそれぞれの力を発揮した。 海外メディアの来場を想定し、メディア対応サポートとして配置されたのは4人。関文子さん、劉玉哲さん、奥津美和子さん、孫順愛さんが、メディア受付や取材ルールの説明や案内を任された。 それぞれ、国際ホテル科国際ブライダル専攻、英語通訳翻訳科、海外留学科、国際ホテル科国際ホテル専攻に学んでいる。 スポーツ経験や観戦歴がある者はいても、4人の中に、本人や家族にラグビーと縁のある存在はなかった。 しかし今回ラグビーを身近に感じ、全員がその魅力を強く感じた。 鍛えられた肉体同士のぶつかり合いは、これまでに見たことのないような迫力だった。 試合のスピード感やスタジアムの雰囲気に引き込まれた。 そして自分たちが任された持ち場には、多くの学びがあった。 運営のリーダー的存在であるリーグワンスタッフの旗振りのもと、各領域のエキスパートが任務を遂行する。結果、試合前日のメディアデーも試合当日も、多くの報道陣の取材活動がスムーズにおこなわれた。 その中に身を置いて多くの気づきがあった。 日本外国語専門学校の各コースは2年制が多い。今回のインターン4人のほとんどは1年生。2025年春の卒業に向け、就活のことを考え始めている。 そんな時期の貴重な経験に、「プロのスタッフのお仕事を目の当たりにして、将来の選択肢が増えました」という声が聞こえてきた。 記者会見時の通訳を聞き、自分の頭に浮かんだものとの違いを知り、学んだ。会見場のあの雰囲気の中で、普段授業で教わっていることを発揮できるだろうか。 孫さんは、「チームを組んで、みんなで大きな仕事をやり遂げる難しさと楽しさを知りました。各々が責任感を果たしてこそ、と。その一部を社会に出る前に経験できてよかったです」と話した。 丸金丈さん、そしてキンバリー・フーン ・フウィーイー(フーンが姓/Kimberly Hoon Hwey-yi)さんの両者は、チームリエゾンとして、それぞれチーフス、ブルーズとともに行動した。 それぞれ英語本科上級英語専攻、英語通訳翻訳科英語翻訳専攻の1年生だ。 丸金さんはラグビーマン。3歳のときに市川ラグビー少年団に入り、東京学館浦安高校でもプレーした(ポジションはPR、LO)。 高校卒業後はニュージーランドに渡った。