クロスボーダーラグビー2024を支えた若者たち。
ウェリントンの語学学校とヴィクトリア大学に2年半学んだ。しかしコロナ禍と重なり、思い描いていたような日々とはならず。 そんな背景もあり、今回のインターンの機会に心が躍った。 チームの来日中の日常が快適となるようなサポートをするのが、主な仕事だった。 ともにチームサポートにあたった先輩リエゾンが、自分の気づかない点に心配りすることが多々あった。 自ら、先に動くことの大切さをあらためて知った。 「一流の選手たちは、僕らに対しても気さくでした。チームスタッフも紳士的。自分が好きな世界の、トップレベルと関わる、特別な仕事をしている感覚を受けました」 ブルーズのリエゾンを務めたフーンさんはマレーシア出身。オーストラリアの大学で会計学、マネジメントを3年間学んだ後、来日した。 母国での中学時代、『名探偵コナン』のアニメを見て日本語の発音の美しさに惹かれた。 ラグビーの現場を経験したのは今回が初めてだ。授業でスポーツ通訳の科目も取っている。 チームと運営側のコミュニケーションが円滑に進むように尽力する中で感じたのは、対応にスピード感が求められていることだった。 経験したことのない世界を知り、いい刺激を得た。「視野が広がりました」と笑顔になった。 マレー語、英語、日本語と中国語を話せる。人生の未来図に、新たな選択肢が加わったかもしれない。 ブルーズと過ごした12日間を終える日の数日前、空港での見送り時を想像して「寂しくなります」と言った。 ラグビーファンが、また増えた。
日本外国語専門学校の窓口となった小島先生は、自身もブルーズのリエゾンを務めた。 大会前の綿密な準備からリーグワンのスタッフと話し、大会終了後、選手たちを空港から送り出すまでブルーズと時間を共にした。 「選手そしてチームスタッフ全員が満足そうに日本を過ごし、笑顔で帰路につかれた光景は、私にとって何よりも充実した瞬間でした」 そう話す先生は、若者たちの姿にも目を細めた。 「学生たちも同様の感動と達成感を抱いて、学校に戻ってきてくれました。座学では得られない、スポーツ現場での実践的な学びを得られたことを大変嬉しく思います。彼らの今後の成長に期待しています」