ダカール3連覇の望み絶たれたアル-アティヤ、今後はローブのサポートに全力。打倒アウディを目指す
プロドライブのナッサー・アル-アティヤは、ダカールラリーのステージ6でトラブルに見舞われ、3連覇が絶望的となってしまったため、安定した走りを見せるチームメイトのセバスチャン・ローブがアウディのカルロス・サインツSr.を打ち負かすのを助けるために全力を尽くすと語った。 【動画】ダカールラリー2024:ステージ6Aハイライト 3連覇でのダカールラリー6勝目を目指し、総合3番手につけていたアル-アティヤだが、2日間に渡って行なわれた48時間クロノステージであるステージ6でテクニカルトラブルに見舞われてしまった。 ステージ最後のウェイポイント手前で止まったアル-アティヤは最終的にチームの助けでマシンを修理できたが、総合首位に立つサインツSr.からは2時間45分差となってしまった。 オーバードライブのヤジード・アル-ラジとアル-アティヤがステージ6で脱落したことにより、首位のサインツSr.と2番手のマティアス・エクストローム(アウディ)を止められるのは、実質的に3番手のローブのみとなってしまった。 ローブとサインツSr.の差は29分31秒。簡単に逆転できる差ではないが、アル-アティヤはダカールラリー後半でローブをサポートし、アウディ勢を倒せるはずだと語った。 「いい1日ではなかったよ。残り50kmのところでステアリングベアリングが壊れてしまい、修理のためにアシスタンスを待たなければならなかった」 「昨日(ステージ6前半)はトップスタートだったにもかかわらず、良いスペシャルステージができただけに残念だ。いずれにせよ、このまま走り続けて、何ができるか見てみるつもりだ」 「アイデアのひとつは、セブ(ローブ)がダカールで勝つのを助けることだ。そのために全力を尽くす」 ローブはステージ5でわざとウェイポイントを外してペナルティを受け、ステージ6で有利なスタート位置を確保した。ステージ6はバイクとルートが異なり、轍が参考にならないためだ。 この作戦は結果的に時間をロスすることになったが、ステージ6初日を3番手で終えたローブは、2日目にはエクストロームとサインツSr.をかわしてステージ優勝を飾った。 「僕らにとっては良い一日だった。良いステージだったし、問題もなかった」とローブは説明した。 「ステージ6の前半はとても長くて、400km以上あった。砂丘はクルマのメカに大きな負担がかかるから、僕はできるだけ負担をかけないようにしていたんだ」 「戦略は正しかった。アウディの戦略が優れていたのは、彼らの方が十分に後方にいたこと、前のナッサーがうまく道を切り開いていたことだ」 「予想していたほど接戦ではなかった。ステージを勝ったから総合順位も上がるだろう。それほど悪くない。まだ戦える」 「パンクなどで2度タイムをロスしたが、それを除けばいい1週間だった。僕たちはまだ速いんだ」 ダカールラリーは残り6ステージ。リヤドでの休息日をはさみ、日曜日にラリーが再開される。 ローブはチャンスを広げるためにも、パンクを減らさなければならないと語った。 「誰もが全力を出しており、レベルは非常に高い。このペースでは、何かが壊れたり、何かが起こったりするのは普通のことだ」 「今のところ、すべてがうまくいっている。この調子で走り続け、ラリー終盤の石によるパンクに対する解決策を見つけるだけだ」 アウディはザウバーとのF1プロジェクトに集中するため、他のカテゴリーと同様ダカールラリーに関してもファクトリー活動に幕を下ろすことになっており、2024年はダカール優勝の最後のチャンスとなる。 一方、ローブとアル-アティヤはすでに2025年の計画も決まっており、ダチアに加入し、プロドライブが運営するプログラムに参加する予定だ。
Rachit Thukral