中国ファーウェイ関係者、台湾の駐パラグアイ大使公邸周辺で諜報活動か
(グアテマラ市中央社)中華民国(台湾)と外交関係を持つ南米パラグアイの中華民国駐パラグアイ大使公邸周辺で今年10月、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の関係者が公邸の外観を撮影したり、通信を傍受したりした疑いがあることが、19日までに分かった。外交部(外務省)は、大使館職員の居住と身の安全を保障し、海外駐在員の公務執行が違法に妨害されない権利を確保するとした。 パラグアイメディアによると、今年10月9日午後1時ごろ、公邸前に1台のワゴン車が約2時間止まっていたという。目撃者によれば、車内にいた男は窓を開けて写真を撮影し、電子機器を公邸に向けていた。通信を傍受していた可能性がある。公邸の職員が異常に気付き、通報で駆け付けた警察官が近付くと、ワゴン車はその場を去った。 警察の捜査で、車両はファーウェイの現地子会社が登録されており、運転手はこの会社の従業員であることが判明。パラグアイの外務省と警察は、各国の外交機関に警戒を呼びかけ、台湾の大使公邸や職員の安全対策を強化したとしている。 パラグアイは今月初旬、議会で不適切とされる発言をした中国の外交官のビザを取り消し、国外退去を命じている。外交部はこれについて、パラグアイ政府が国家主権を守り、台湾・パラグアイ間の友好関係を基に明確に対処したことを評価すると表明。国際社会に対し、中国の卑劣な行為を共同で非難し、民主主義、自由、人権などの普遍的価値観を守るよう呼びかけた。 (李登文/編集:齊藤啓介)