舞台は鹿児島の産業革命遺産 「このミス」受賞作家が手掛ける短編小説「幽霊はどこへ行く」 世界遺産協議会が特設ウェブサイトで無料公開
鹿児島県など8県11市でつくる「明治日本の産業革命遺産」世界遺産協議会は14日、鹿児島市の構成資産、関吉の疎水溝を舞台にした短編小説「幽霊はどこへ行く」をオンラインで公開した。2010年に第9回「このミステリーがすごい!」大賞で優秀賞を受賞した作家の佐藤青南(せいなん)さんが手がけた。無料。 協議会は構成資産PRのため、2022年度からミステリー作家と協力し資産を舞台にした書き下ろし短編小説を発表している。今回で10作目で鹿児島県が舞台の作品は初めて。 物語は父の故郷鹿児島に帰省した高校生と小学生のきょうだいが主人公。弟が関吉の疎水溝周辺で幽霊を目撃し、それをきっかけに生まれた2人と地元住民との交流を描く。 長崎県出身の佐藤さんは「先人の偉業を誇りに感じ、後世に伝えていこうとする強い思いを作品に込めた」とコメントを寄せた。 来年の世界文化遺産登録10周年を記念した協議会の特設ウェブサイトから閲覧できる。県世界文化遺産室の宮内二郎室長は「作品を読んでもらい、現地を訪れるきっかけになれば」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島