熊本市新庁舎は桜町、中央区役所は別で整備 財政負担は圧縮? 議会に選定案示す
熊本市は24日、市議会特別委員会で、新庁舎建設地の選定案を示しました。本庁舎と議会棟は、4カ所の候補地のなかから、NTT西日本桜町ビルの敷地に、中央区役所は花畑町別館跡地か熊本市駐車場敷地に整備するとしています。 大西一史市長 「(熊本市の)本庁舎、議会棟の建設地については、NTT桜町敷地とし、市民の皆様にとって利便性が高く、災害への対応力にも優れた庁舎として整備を行う」 本庁舎と議会棟については、日本郵便九州支社や白川公園も候補地となっていましたが、地権者の意向や防災機能の観点から除外。その上で、現在の敷地とNTT西日本桜町ビルの敷地を比較し、災害リスクや工期など観点から絞り込んだということです。なお、地権者のNTT西日本は、建設地に決定した場合、土地の売却に応じる意向を示しています。
また、熊本市は、今回、中央区役所を本庁舎と別の場所に整備するとしました。ポイントの1つは、にぎわいの創出です。本庁舎と中央区役所を同じ棟とした場合と、別にした場合の来庁舎の回遊エリアを比較すると、別にした方が回遊面積が約1.5倍に広がるとしています。 この方針に、市民からは「もし同時に手続きしたいときが不便」「だんだん市民が(別々を)認識すれば、特別な不便はない」などの声が聞かれました。
「移転は死活問題…」現在の市役所近くの繁栄会長
現在の市役所近くには、多くの飲食店が立ち並びます。 利用客の3割ほどが市の職員だという飲食店は「しばらくは影響があるでしょうね。折角、顔見知りになった常連の職員さんも来ていたので、それを何で補填するか」と話します。また、市役所から50メートルほど離れた居酒屋も、ランチの利用客は多い時で8割が市の職員。「今、市役所の職員に聞くと(ランチで)銀座通は渡らないと言う。そう考えると、桜町からここまでは、多分来ようとは思わない。若干なりとも影響はあるでしょうね」と話します。 熊本市中央繁栄会連合会の南良輔会長も「市役所の移転は、僕らにとって死活問題に近い。街の経済は、市役所がどれだけの効果をもたらしていたかを考えてもらいたい」と語りました。