円は対ドルで昨年7月以来の安値に下落、対外投資フローで売り優勢に
(ブルームバーグ): 7日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=158円台前半と、昨年7月以来の安値に下落した。金融機関が外為取引の基準レートとする公示仲値の設定にかけて円売りが強まった。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、新年に入ったため、仲値にかけて少額投資非課税制度(NISA)経由の対外投資に絡む円売りが出た可能性があると指摘。加えて、円相場が「対ドルでの直近安値を下抜けたことから、トレンドフォローの円売り・ドル買いが円を一段と押し下げているのではないか」と述べた。
日本銀行の利上げに慎重な姿勢や米国の堅調な景気指標を背景とした円売り・ドル買い地合いも続いている。
三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)は、1月の日銀会合での利上げ期待が高まらず、円が売られやすい一方、米景気の強さが意識され「ドル買い地合いは続きやすい」と指摘。ただ、158円台では日本の通貨当局による円安けん制も警戒され、米経済指標を確認しながら158円台の定着をうかがうことになるとみていた。
6日の海外市場ではトランプ米次期政権の関税政策を巡ってドルが乱高下した。山本氏は「次期政権の政策を巡る報道やトランプ次期大統領の交流サイト(SNS)での発信に振り回され、神経をとがらす相場がいよいよ始まった」と指摘した。
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Daisuke Sakai