【米国株】2025年の「S&P500」の値動きを予想!「トランプリスクで年前半は低迷も、企業収益の上昇などを背景に年末に向けて最高値を更新」がメインシナリオ
【米国株】2025年の「S&P500」の値動きを予測! 堅調な企業収益の伸びにより、トランプリスクを乗り越えて上昇へ! 【図版】2025の米国企業は、2024年を超える2ケタ成長が予想されている! ●トランプ政権発足で波乱含みだが、年後半に最高値更新へ! 企業収益も伸びる見通しで、米国の経済成長は続く! 2024年の年初から11月末までに、米国の主要株価指数の一つであるS&P500は、約27%上昇。最高値を更新し、6032.38ポイントに到達した。はたして、今後もこの勢いは続くのか。総勢48人に及ぶアナリストやストラテジストなどのプロに「2025年のS&P500の値動き予測」をしてもらった。 結論から言うと「2025年も米国株市場は強く、S&P500は年末に向けて最高値を更新する」と見るプロが多かった。高値予想の平均値は約6800ポイントで、2024年の最高値から10%以上の上昇が見込まれるという読みだ。 プロが強気になる理由は2つある。1つは「米国経済の成長が継続する」と見られていること。IMF(国際通貨基金)によると、2025年の米国経済は2.2%の成長が予測されている。 「2024年の2.8%から減速はしますが、引き続き堅調に変わりはありません。景気後退の心配はしていません」(第一生命経済研究所の前田和馬さん) 2024年の成長予測が、年の途中で何度か引き上げられてきたことを踏まえて「2025年も2024年と同じ水準まで引き上げられることを期待する」という意見もあった。 強気の理由の2つめは「企業収益の成長が加速する」見通しになっていることだ。2024年(実績)と2025年(予想)の「S&P500の1株利益の伸び率」を比較した、以下の棒グラフを見てほしい。第2四半期を除き、2025年が上回る予想になっている。 「2025年は第1、第3、第4四半期で、2024年を上回る2ケタ成長が予想され、企業収益の改善による株価上昇を期待できます」(東海東京インテリジェンス・ラボの長田清英さん) ただし、2025年の米国株市場には懸念材料もある。 「1月にトランプ氏が大統領に就任すると、新政権の人事が上院で承認されるのかが焦点に。難航する場合、その後の政権運営に暗雲が立ち込め、株価が調整する可能性があります。また、トランプ氏が力を入れる減税政策の具体的な内容が出てくるまでは、市場に不透明感が漂います。2026年度の予算教書が公表される春頃まで、波乱に注意を」(前田さん) こうした背景から、約半数のプロが2025年1~3月に安値をつけると見ている。 インフレの再燃にも警戒したい。FRB(連邦準備制度理事会)は2024年に利下げに転じたが、トランプ氏が掲げる関税引き上げと移民規制の強化は、再びインフレを引き起こす可能性がある。利下げ観測が後退し、金利が高止まりした場合、企業の資金調達コストの上昇や、個人消費の落ち込みにつながってしまう。2025年もインフレ動向には目を光らせよう。 ただ、一時的な下落があったとしても、新政権の不透明感が薄れ、好調な企業決算が出てくる年後半に最高値を目指す、というのが大半のプロの見方だ。今回の予測にも協力してくれたストラテジストのポール・サイさんが「調整は安く買うチャンスと捉えて」とアドバイスするように、2025年の年末に向けて最高値を更新するイメージでチャンスを見極めよう。
ザイ編集部
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