アナタ! 俗世にまみれたなと思ったら、坐禅、写経、精進料理がオススメですよ
お次は部屋を移動して写経へ。「延命十句観音経」というたった42文字のお経を見本をなぞって筆ペンで書き写します。ワタクシ、子供時代、習字を習って初段ぐらいまで行ったのですが、左利きゆえ筆ペンは苦手(普通の筆は右手で書けます)。うまく書けず悔しい思いをしたのでした。 そんなこんなで時は流れ、約3時間をかけてイベントは終了。その後は希望者のみで、精進料理をいただくことに。 ちょうどお腹も空いて来たところに出てきたのが朱塗りの足つき膳に載った料理の数々。もちろん精進料理ですから肉も魚もないわけですが、これが想像以上の美味しさ! 仕事柄、いろんなお店の凝った料理をいただく機会も多いのですが、それらとは対極にあるシンプルな料理。けれども、それが驚くほど美味しいのです。
季節の野菜や豆類など限られた食材ではありますが、そこに手間をかけることで、滋味深い味わいはもちろん、食感の違い、温かいもの冷たいもの、見た目の色合いなど、バリエーションも豊かで、ここまで美味しくいただけるのかと感動。この誠意を尽くした「手間」こそ本当の贅沢であるとつくづく実感しました。 身も心もすっかり満足して、半日を終えることが出来た今回の取材。お寺だ、坐禅だと聞いただけで、そんなジジくさいと拒絶しないでください。現役バリバリのオヤジさんであればこそ、ときにはまったく普段と違う体験をすることに意味があるのです。 坐禅とは自分の中に溜まった不要な澱を捨て去ってまっさらな自分になるための修行だそうです。気づかぬ間に、俗世にまみれてあたりに臭気を撒き散らしている、なんてことだけは避けたいもの。 カッコいい大人であるためには、常に新陳代謝を怠らないことが必要なのですね。だからこそ、このようなイベントが大切なのかと。さすが、ダイナースクラブさんは、わかってらっしゃると思った次第。
● 円覚寺(えんがくじ)
拝観時間/3月~11月 8:30~16:30 (境内からの退出時間 17:00) 12月~2月 8:30~16:00 (境内からの退出時間 16:30) 拝観料金/大人500円(高校生以上) 小人200円(小中学生)
文/森本 泉(LEON.JP)