「ネガティブ思考」こそものづくり・創作の源だ!ネガティブを自認する人気クリエイターによる逆転仕事術
■ ポジティブ人間だけでチーム編成するとどうなる? どんな仕事においても、チームの人選は悩みどころ。例えばポジティブな人が多いチームでは楽しくハッピーに業務が進む一方で、いったん立ち止まって考えることがまるで悪いことかのような雰囲気になってしまう。 逆にネガティブな人ばかりだと暗い雰囲気になるのに加え、リスクの精査に追われて業務が進まない。藤井氏は自身の経験から、チームの編成方法について次のように提案している。 あなたが陽の人間だったら、慎重派の陰のタイプをスタッフに入れるといいかもしれません。あなたがチームの上司なら、自分と逆のタイプの部下をチームに入れるのもいいでしょう。自分と近しい人ばかりでチームを固めていると、案外うまくいかなかったりするものです。チーム全体で陰と陽のバランスをとることを意識してみましょう。 ネガティブ思考は、一方的にポジティブに改めるべきなのではなく、ほどよくビジネスに取り入れるべきだと主張する。 ■ 修正要求のようなネガティブな依頼こそチャンス 自分がつくったものを認めてほしいというのは素直な欲求だ。だからこそクライアントや上司からのネガティブな修正要求は、はねのけたくなるもの。しかし藤井氏はこう語っている。 大事なのは、修正要求をそのまま鵜呑みにするのではなく、彼らが感じている違和感の中身を掘り下げてあげることです。 ただ言われた通りにこなすだけでは、可もなく不可もない仕上がりになってしまう。相手からの要求を細かく掘り下げていくことで、お互いが納得できる落としどころを見つけられるはずだ。 社内の制作陣にクライアントの要望を伝えるときも、「こんなこと言ってきてさあ…」とクライアントを悪者にするのではなく、「こうすればもっと良くなりそうだから」と“改善案”の形で伝えるようにするのがいいのだろう。
■ 遺伝子レベルで心配性の日本人が持つ強み 日本人はそもそも不安を抑えるセロトニンが不足しやすく、昔から地震などの自然災害に見舞われ続けた。そのために、元来心配性なのだそうだ。しかも遺伝子的には、ポジティブ要素のある「外向性性格遺伝子」を持つ人は3割程度しかいないのだとか。 恐れ、慎重、不安とうまくつきあうことができるのがネガティブ人間の強さなのです ネガティブ人間のあなたこそものづくりに向いているのです! 藤井氏はこのように語っている。 常に最悪のケースを考えてしまうのも、それを避ける対策を練る力がある、と思うとなんとも心強い。「ネガティブ思考は悪」との認識にとらわれず、その能力を強化するのも有益なのかもしれない。
東野 望