北海道陸協735万円未納問題で極秘文書入手 「職員の使い込み疑惑」「財産2000万円減」の衝撃
FRIDAYデジタルが未納問題を報道した翌月の昨年12月いっぱいで道陸協の職員は解雇されていることを取材でつきとめた。道陸協の渡辺剛成専務理事は「事務職員の解雇は、登録料未納の件と必ずしも関連づいていることはない」と懲戒解雇ではないというが、別の関係者によると、当該職員は自らの非を認め、返済する意思を示しているものの、まだ弁済はされていないという。重大な損害をこうむり、存亡の危機に追い込まれている道陸協は当該職員を告発、提訴に踏み切ってもおかしくない状況なのだが、示談で済まそうという向きさえあるという。 このような危機的状況に、若手選手の育成に情熱を注ぐ北海道の現場の指導者は「もはや、幹部たちは当事者能力を失っています」と憤りを隠さず、こう続ける。 「いまだに『どうにかなる』と思って問題解決を先延ばししています。未納している登録料を払うメドはまったく立っていませんし、法人解散に至っては『口外するな』なんて言う始末です。 (私的流用を疑われる)職員を告発せずに示談で解決しようなんて、とんでもありません。オリンピックや世界選手権出場を夢見て一生懸命がんばっている中学生や高校生、そして保護者にどう申し開きするのでしょうか。スピード感を持って毅然と対処し、あらゆる情報を公開すべきです。公開しないのであれば、隠蔽でしょう」 道陸協の登録料未納や不適切な会計処理を追及しているスポーツライターの津田俊樹氏はこう厳しく批判する。 「入手した理事会報告の文書の年月日が“令和5年”と書かれてますが、正式には“令和6年”です。また上記の文書ではない、別の文書に書かれていたのですが、事務職員の処分についても『懲戒解雇』なのに、公務員に対して使われる『懲戒免職』と書いたりして、文書ひとつとってもお粗末で、道陸協は組織の体をなしていません。 道内の陸上関係者の中には事務職員を刑事告発しようと警察に相談した人がいるのに、道陸協の幹部が示談を持ちかけているのが事実なら、自分たちが『火の粉をかぶりたくないための保身』と言わざるを得ません。日本陸連は『最大限のアドバイスはする』としていますが、もっと一歩、二歩も踏み込んでほしい」 日本陸連は道陸協から丸会長辞任の報告を受けているものの、事務職員の解雇は把握していないという。一連の動きについて日本陸連の尾縣貢会長はこう明かす。 「北海道の本連盟登録会員(競技者や審判員)が安心して陸上に取り組めるよう、引き続き、道陸協に対して迅速かつ適切な対応を求めるとともに、本連盟も状況の把握に努め、必要な対応や協力をしてまいります」 尾縣会長が明かした北海道の本連盟登録会員の中には、走り幅跳びの日本記録保持者・城山正太郎がいて、6月にパリ五輪選考を兼ねた日本選手権を控えるが、落ち着いて大会に挑めるのだろうか。日本陸連がどんな“必要な対応”をとるのか。もはや陸上競技関係者のみならず、すべての人が注目している。
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