高峰譲吉「松楓殿」の食堂天井画、作者・古田土の出身地へ 富山県高岡市が10月、栃木に貸し出し
富山県高岡市は、同市出身の化学者、高峰譲吉の別荘「松楓殿(しょうふうでん)」食堂の天井画を栃木県茂木町に貸し出す。天井画を制作した画家、古田土雅堂(こたとがどう)(1880~1954年)は同町出身で、町指定文化財の古田土雅堂邸の完工100周年に合わせて展示したいと、町から依頼を受けた。 松楓殿は、1904年に開かれた米セントルイス万国博覧会の日本パビリオンだった建物。閉幕後、高峰がニューヨーク郊外に移築し、日米親善に活用した。現在、高岡商工ビルに再現展示されている。食堂の天井画は約113センチ四方の全35点で、2019年に高岡市に寄贈された。丸枠の中に動植物が描かれている。 古田土は1906年に渡米して美術を学び、陶器の絵付けのデザインを手がけた。同年、松楓殿の食堂の天井画制作に取り組んでいたことが履歴書から分かっている。 28日、古口達也町長が市役所に角田悠紀市長を訪ねた。角田市長は「天井画を見てもらう機会をつくっていただき感謝する」とあいさつし、古口町長は「古田土の作品を展示するだけではなく、高峰先生からの流れも説明したい」と話した。
天井画は10月5日から12月15日まで、茂木町の複合施設「ふみの森もてぎ」で展示される。