【特集】廃業・休業相次ぐ「町の銭湯」 “火”を絶やさないために 新たな形「事業承継」 ≪新潟≫
利用客の減少や後継者不足により、街の公衆浴場、いわゆる銭湯の廃業や休業が相次いでいます。 「その火を絶やしてはいけない」 親族ではない、第三者が受け継ぎ再開した銭湯が新潟市にあります。 再オープンまでの道のりに密着しました。 【動画で見る】新たな形“銭湯の承継” 「火を絶やさないために」 後継者不足などで廃業相次ぐ銭湯 《新潟》
■休業していた「小松湯」
ある人は1日の疲れをとるために……。 またある人は1日の活力を得るために湯船につかります。 ここは新潟市江南区で唯一の銭湯、「小松湯亀田」です。 今は多くのお客さんで賑わっていますが、ことし5月まで休業が続いていました。
■「小松湯」新オーナーの森山さん
小松湯のオーナー、森山章さんです。 前のオーナーが亡くなった後、2022年8月から休業…… 森山さんはこの銭湯を購入し、再開することを決めました。 〈『小松湯亀田』オーナー 森山 章さん〉 「これでいいのか悪いのか正解がすべて分からないのでこれから学んでみなさんに教えていただいて」
■銭湯文化をつなぐ「事業承継」
会社や事業を後継者に引き継ぐ「事業承継」。 利用客の減少や後継者不足により廃業や休業が相次ぐ銭湯などについて国は2023年12月、法を改正。 それまで親族以外が継ぐことが難しかった銭湯も第三者が譲り受けやすくなりました。 〈『小松湯亀田』オーナー 森山 章さん〉 「今後継ぐ方がいないお店がたくさんあると聞いたのでそれで自分がなにか出来ないかなと思って」 勤めていた飲食店を辞め、小松湯を継ぐことを決めた森山さん。 再開に向けて準備が始まりました。
■幼なじみがサポート
ことし4月。 着々と準備が進められていたこの日、訪ねてきたのは森山さんの幼なじみで新潟市東区で銭湯を営む神田泰三さん。 初めて銭湯の経営に挑戦する森山さんを支えています。 〈新潟市東区で銭湯を経営 神田 泰三さん〉 「長い間、日本の歴史の中にあった銭湯というのはやはりなくしちゃいけないという思いもありますね。だからこういうふうに手をあげて俺がやると言ってくれるとうれしいですよね」