Facebookが巨額の買収を発表 WhatsAppってどんな企業?
SNS最大手の米Facebookが、スマートフォン向けメッセージングアプリを提供する「WhatsApp(ワッツアップ)」を190億ドル(約1兆9400億円)で買収すると発表しました。190億ドルの買収額は、IT業界でも過去最大級。買収金額のうち160億ドルは企業買収に、残りの30億ドルはWhatsappの従業員に割り当てられるなど話題になりました。WhatsAppとはどんなサービスなのでしょうか?
Facebookが買収した「WhatsApp」
「WhatsApp」は、iPhone/Android/BlackBerry/Nokia携帯で利用できるスマートフォン向けメッセージングアプリです。米WhatsApp Incにより2009年から提供が開始されました。テキスト・音声・動画・画像をリアルタイムでやりとりできるほか、グループチャット機能も充実しています。 同じメッセージングアプリである「LINE」が日本や東南アジアを中心に利用されているのに対し、「WhatsApp」はヨーロッパやラテンアメリカなどの地域で圧倒的なシェアを誇っています。また、ブラジルやメキシコといった新興国でも広がりを見せており、2013年9月から月間アクティブユーザー数を約1億人増加させました。
わずか32人のエンジニアで運営
サービス開始から4年たらずで4億5000万人の月間アクティブユーザーを抱える「WhatsApp」ですが、そのサービスはわずか32人のエンジニアで運営されています。「広告なし・ゲームなし・仕掛けなし」というポリシーを徹底しており、アプリ内広告は一切表示されません。「WhatsApp」が広告マネタイズの代わりに実施しているのが、2年目からの定額課金制度です。ユーザーは最初の一年間は無料でサービスを利用できますが、その後は年間1ドルの定額課金がはじまるという仕組みです。
創業者はFacebook不採用の過去も
米WhatsApp Incは、元Yahooのヤン・クーム氏とブライアン・アクトン氏によりに設立されました。Yahoo退社後、2人はFacebookへの就職を試みましたが結果は不採用。アクトン氏は、Twitter社にも就職を断られています。しかし、今回の買収を経て、ヤン・クーム氏はFacebookの取締役に就任。また、アクトン氏も自社株式を約20%保有しており、個人として32億ドルを回収できる見込みだといいます。