藤井聡太七冠が国際将棋トーナメント優勝の中国選手と記念対局 海外選手との対面での対局は初
世界45の国と地域から51人の選手が参加した第9回国際将棋トーナメントの決勝戦が9日、東京・渋谷区の将棋会館で行われ、中国北京市在住の許諾(きょ・だく)さんが優勝。藤井聡太七冠=竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖=との角落ちハンデありの記念対局に臨んだ。藤井が海外選手と対面で対局を行うのは初めてだった。 藤井は「海外の方との対局はとても楽しみにしていました。実際に対局をして、序盤からしっかりと指されているなと感じましたし、将棋は盤上で指し手を通してのコミュニケーションがあることを強く実感しました」とコメント。中国選手との対局を楽しんだ様子だった。 対局は藤井の勝利。「駒落ちではありますが、今回のトーナメントでもすばらしい戦いをされてきたということで、手を緩めるということはなかったです。こちらも楽しみながら対局ができた」と振り返った。 英語は話せないという藤井だが、将棋を普及しに行きたい国や地域には「ヨーロッパ」をあげ、「いつか行きたい」と話した。また、今後は海外普及のための海外向け将棋コンテンツの増加が必要だとした。 藤井と戦った許さんは中国でチェスの先生をしているそうで、将棋の腕前はアプリ「将棋ウォーズ」で五段。得意戦法は「力将棋!」と力戦をあげた。好きな棋士は羽生善治九段。「強さが全然違う。AIが出てくる前から強かったということで敬服しています」と話した。 藤井との記念対局は「日本で一番強い棋士と指せるのは非常に光栄」と楽しみにしていたが、「自分の力を出す前に負けてしまった」と肩を落とした。それでも、国際将棋トーナメントを通して「とても勉強になった。レベルアップができました」と話し、「中国でも、もっともっと日本の将棋が人気になる余地があると思います。普及を頑張っていきたいです」と力こぶをつくった。
報知新聞社