追突事故を起こしたら「保険の等級」「ゴールド免許」はどうなる? 「物損」か「人身」かで大きく変わる処分・賠償責任
ゴールド免許は取り消しで免停の可能性も
人身事故はそれ自体が行政処分の対象となり、違反点数が加算されますので、ゴールド免許は取り消しとなります。 また前歴がない場合は違反点数6点以上、前歴1回の場合は4点以上で免停となるため、人身事故を起こした場合に一発で免停になることも少なくありません。 ▽刑事罰 人身事故は刑事罰の対象となります。もっとも一般的な自動車運転過失傷害罪の場合は7年以下の懲役・禁錮又は100万円以下の罰金刑が法定刑です。事案が悪質な場合には危険運転致死傷罪等が適用されることがあり、この場合の法定刑は更に重くなります。 ▽損害賠償も高額になりがち 人身事故についても、当然、民事での賠償責任が発生します。一般的には被害者側に生じた以下のような人的損害を賠償する責任を負うこととなります。 ・治療費 ・休業により喪失された収入 ・入通院に係る慰謝料 ・後遺障害が発生した場合の慰謝料及び逸失利益 人身事故は補償を要する金額が大きくなることもあり、強制加入の自賠責保険ではカバーしきれないことも珍しくありません。この場合に対人無制限の任意保険に加入していれば特に問題はありませんが、そうでない場合は自賠責保険でカバーされない損害額は運転者が自ら賠償しなければなりません。
まずは警察と保険会社に連絡を
物損事故であろうと人身事故であろうと、事故が発生した場合には速やかに警察に届け出る義務があります。そのため追突事故を起こしてしまったら、必ず警察に連絡しましょう。契約している保険会社がいる場合は、警察への連絡を済ませた後に速やかに連絡するようにしてください。
監修弁護士からのコメント
物損事故は人身事故に比べて運転者の責任は軽いものとされています。もっとも物損事故であっても事故後に必要な対応(例えば警察への報告等)を怠れば、別途処分対象とされることもあります。交通事故を起こして若干動転してしまうのは仕方がありませんが、できる限り冷静に必要な対応を行うように心がけましょう。(弁護士・梅澤康二氏) (まいどなニュース/norico)
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