<高校野球>巻き起こせ鹿児島城西旋風 元プロ佐々木監督が求めた「反骨心」 第92回選抜高校野球
第92回選抜高校野球大会に出場する32校が24日、決まった。九州からは、昨秋の九州地区大会で決勝を争った明豊と大分商の大分県勢と、同大会4強の創成館(長崎)、鹿児島城西の計4校が選ばれた。21世紀枠では、園児向けの野球普及活動などに力を入れる平田(島根)や、NHK連続テレビ小説「なつぞら」のモデルになった帯広農(北海道)など、個性豊かな顔ぶれに「春」の知らせが届いた。 【写真特集】センバツ歴代応援イメージキャラクター 春夏通じて初出場を決めた鹿児島城西を率いるのは、プロ野球の元スター選手で就任3年目の佐々木誠監督(54)だ。 1984年に南海(のちにダイエー、現ソフトバンク)に入団。西武、阪神でも活躍し、首位打者を1度、盗塁王を2度獲得した。引退後は社会人野球のNTT西日本などで監督を務めた。 プロの世界を知り尽くした指導者が2018年1月の就任以降、部員に伝え続けたのは「自ら楽しむこと」。厳しさではなく、選手たちがのびのびと取り組める環境づくりを目指した。好捕できれば本数を減らし、落球すれば筋力トレーニングを課す罰ゲーム付きノックは、選手たちが好きな練習の一つ。球速アップなど課題も与えるが、実現するための練習法は選手に考えさせる。10キロの水袋を抱えてジグザグにダッシュする体幹強化法はそうして生まれた。 しかし、シード校として臨んだ19年夏の鹿児島大会の4回戦で課題を突きつけられた。ノーシード校に屈辱の七回コールド負け。「点差が離れ、すぐに諦めた。逆境に立ち向かう反骨心が選手たちに必要だった」 その後の2カ月は心を鬼にした。「君たちみたいな弱いチームは、どうせ勝ち上がれない」。突き放すような言葉も浴びせられた選手たちは奮起した。古市龍輝主将(2年)は「結果で監督を見返してやるという気持ちが全員に生まれた」と語り、九州地区大会4強でセンバツ切符をつかんだ。 監督就任直後に入学した1年生が最上級生となり、挑む夢舞台。佐々木監督は「一戦一戦成長し、城西旋風を巻き起こしたい」と意気込む。【林壮一郎】 ◇サイトで動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/)では、大会期間中の全31試合をライブ中継。「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。デジタル紙面では出場決定号外も無料で配信しています。