鉄鉱石・原料炭が7カ月ぶり安値。高値警戒感で反落、下値探りへ
鉄鉱石、原料炭のスポット価格が先週、いずれも修正安となった。両価格は先週末、ともに約7カ月ぶりの安値をつけた。いずれも価格の高止まりに対し割高感が強まる中、高値取引を警戒する動きが出てきた形だ。アジア市場の高炉向け需要も力強さを欠いており、市場では先行きも下値を探る動きになるとの見方が支配的だ。 鉄鉱石のスポット価格は先週初めに1トン100ドル(鉄分62%粉鉱、FOB=本船渡し価格)を割り込んだ後、ジリ安の展開となっている。アジア市場で鋼材価格が軟調に推移する中、中国では輸入鉄鉱石に対する引き合いが減退しているもようだ。 原料炭のスポット価格は先週、1トン当たり270ドル前後(一級強粘結炭、FOB=本船渡し価格)まで下落、昨年9月以来、約7カ月ぶりの安値をつけた。主産地のオーストラリアでは依然、生産・出荷が伸び悩んでいるものの、天候影響による供給不安は後退。一方、市場では原料炭価格の上昇をけん引してきたインドを含め300ドル超の高値が長く続いていたことに対する警戒感も強まっている。 対日四半期価格は鉄鉱石の4~6月積み価格が121・2ドルと、1~3月比で約7・5%上昇。原料炭の1~3月積み価格も横ばいの325ドルと高値圏にとどまっている。足元のスポット安が四半期価格にどう影響するかはまだ不透明な状況。