３回の２死満塁ピンチを三振で脱して右拳を握る大阪桐蔭高・中野投手

◇６日　秋季近畿地区高校野球大会大阪府予選・準決勝　大阪桐蔭３―０大阪学院大高（大阪シティ信用金庫スタジアム） 　秋季の大阪６連覇を狙う大阪桐蔭は、主将で最速１５０キロ右腕の中野大虎（だいと）投手（２年）が大阪学院大高を完封して決勝に進出し、来春センバツ（第９７回選抜高校野球大会）選考の重要資料となる秋季近畿地区大会出場（１０月１９日開幕・ほっともっとフィールド神戸）を決めた。 　中野は耐え抜いて、５安打、４奪三振の完封勝利。自らの二ゴロで１点を先制した直後の３回、２死満塁のピンチを背負う。ここで前日の準々決勝で本塁打を放っている４番の樋爪信（といづめ・しん）捕手（１年）をカウント３ボールにしてしまう。その厳しい状況から見逃し三振に仕留めた。最後は自信のあるストレートを外角ぎりぎりに投げきった。 　「絶対１点やらんという気持ちになったので、しっかり投げきれて、三振取れて良かったなという気持ちです」 　１８０センチ、７９キロの中野は今春センバツでは３試合に登板し、今夏の甲子園では興南（沖縄）との初戦で完封勝利を挙げている。１年秋からベンチ入り。最速１５０キロの速球に加えて変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップ、フォークと多彩だ。経験を積んできており「ピンチの場面でも投げきることによって抑えられる、ということを学んだ。ボール先行のなかで自分のピッチングができるということを学びました」と話す。 　エースナンバーはプロ注目の最速１５１キロ右腕、森陽樹投手（２年）がつける。切磋琢磨（せっさたくま）する間柄。中野は新チームとなってから当初は投手と外野手の”二刀流”も視野に入れ、こだわりはないという背番号「７」。今大会は３試合に先発するなど体力や連戦での登板を考慮して、投手優先となっている。 　「しっかり粘って投げてくれました。勝つんだという気持ちを前面に出している」と西谷浩一監督。「気持ちが強い」と自認する中野は、春夏通算９度の甲子園優勝を誇る大阪桐蔭に「入学してから甲子園で勝てていないので、甲子園に出て勝てるチームというのを自分はつくっていきたいと思います」と主将の責務を話す。その足掛かりとして、まずは１３日の決勝で大阪の頂点を目指す。