「料金未納」「時間超過」だらけでいいのか? 路上のパーキング・メーター&チケット 機器の歴史は不正の歴史?
パーキング・メーター/チケット そもそも違いは?
時間貸し駐車場の料金が高い都市部の繁華街で、“ちょっとした用事”を済ませるときに便利なのが、パーキング・メーターやパーキング・チケットです。どちらも路上に描かれた駐車枠にクルマを停めるというルールは共通ですが、使い方は異なっています。 【大進化!?】これが全国初の「パーキング・チケット機」です(写真) パーキング・メーターは、駐車車両を感知するセンサーを搭載した本体装置が枠ごとに設けられ、利用者は駐車後ただちに「作動手数料」を支払います。本体装置は駐車時間を表示するディスプレイを備えており、駐車からの経過時間を示します。 パーキング・チケットは、いくつかの駐車枠ごとにチケット発給設備が用意され、利用者はこの発給設備に「発給手数料」を支払い、チケットを受け取ります。チケットには発給年月日、時刻と、終了時間(駐車が認められる時間の終了時刻)が印字されており、利用者はフロントウインドーなど、車内前方の見やすい位置に掲示しなければなりません。 このように、パーキング・メーターとパーキング・チケットでは使い方に違いはありますが、いずれも「短時間駐車の需要に対応するため、道路状況、交通への影響や支障などを勘案して、駐車枠で指定した場所・方法に限り短時間駐車を認める」(警視庁)ために設置されるもので、「時間制限駐車区間」という正式な呼称は共通です。
60分以上停めたいという「違反」を防げ
ところで、大都市圏のパーキング・メーターやパーキング・チケットは、多くが「60分300円」と、周辺の時間貸し駐車場よりも時間あたり単価が安価なことから、「そのまま停め続けたい」というニーズが少なからず存在します。 しかしパーキング・メーターは、本体装置のセンサーがクルマの移動を感知したのちでなければ、新たな支払いを受け付けない構造とし、「クルマを停めたままでの料金追加」が不可能な仕組みとなっています。 ただかつては、本体装置のセンサーの“バグ”を突き、クルマを動かさなくても本体の駐車時間を「ゼロ」とし、新たな手数料支払いを可能にするテクニックが裏技として知られていました。2007年から2009年には、このテクニックを使い、同じ場所にトラックを停め続け、宅配の拠点としていた大手運送会社の社員が書類送検される事態も起きています。 こうした手口に対し、当時は本体装置のセンサー部の部品を交換することで対策していましたが、以降に置き換えられた本体装置については、センサー部分を変更し、同様の手口が使えない設計としています。 ●パーキング・チケット「使い回し」も違反だ! 一方、パーキング・チケットも制限時間以上の駐車は違反ですが、その仕組み上、新たにチケットの発給を受け、掲示して“停め続けること”は、形の上では可能です。 ただ現在、東京都で広く導入されているパーキング・チケット発給機は、手数料支払い時に「テンキー」で駐車車両のナンバー4桁を入力する必要があります。 そしてこの数字をチケットに印字することで、「1枚のチケットを複数のクルマで使い回す」ことを抑制する仕組みとなっています。