ファミマ、過去最高の営業総収入 ユニー統合で「No.1チェーン目指す」
コンビニエンスストア大手のファミリーマートは7日、2015年度通期の連結業績(2015年3月~2016年2月)を発表した。直営店の売上高に加盟店からの収入などを加えた営業総収入は前年比14.2%増の4276億7600万円となり、過去最高となった。純利益は、同17.9%減の210億6700万円となったが、前年度は韓国ファミリーマートの株式売却が純利益を押し上げており、この影響を除くと前年比で52億円の増益に相当するとしている。 【中継録画】ファミリーマートが決算会見 ユニーとの統合など説明
国内外で店舗網を拡大
国内事業および海外事業とも、売上高が前年比で2桁増となるなど好調に推移した。国内のコンビニエンス事業では、店舗網の拡大にも注力した結果、前年比で328店増の1万1656店となった。弁当やおむすびなど店舗から持ち帰って食べる「中食」用商品を見直した結果、デザートの抹茶フラッペや電子レンジで調理するラーメンといった新商品がヒットした。 海外のコンビニエンス事業は、台湾で店舗網の拡大などにより計画を上回る業績を上げたほか、中国でも黒字幅を拡大。海外店舗数は、前年比で204店増の5846店となった。なお、昨今指摘される中国経済の減速に関して、中山勇社長は「景気の減速は感じられず、引き続き好調に推移している。上海などを中心に今後も店舗の拡大を図る」との方針を説明した。
2016年度の連結業績予想については、営業総収入が同4.1%減の4103億円、純利益は同4.4%増の220億円を見込む。営業総収入は、売却した子会社のジョイアス・フーズの売上高が今年度はなくなるため減収としたが、業績はおおむね順調に推移すると予想する。なお、今年9月1日には、コンビニエンスストアのサークルKサンクスを抱えるユニーグループ・ホールディングスとの経営統合を控えるが、今回の連結業績予想に統合効果は含まれていない。
統合で約1万8000店舗に
9月の経営統合で、ファミリーマートはユニーグループを吸収合併し、「ユニー・ファミリーマートホールディングス」が発足。その下に、コンビニ事業会社とユニーグループが持つスーパーマーケットなどの小売事業会社が配置される。このうち、コンビニ事業のブランド名は、統合後2年半までをめどにファミリーマートへ統一する。サークルKサンクスの店舗数は2月末で6350店。ファミリーマートの国内店舗数と合わせると約1万8000店となり、3月末時点で1万8613店のセブンイレブンに店舗数でほぼ匹敵することになる。 中山社長は、「単純計算だが、経営統合後の店舗数は16都道府県でトップになる。特に圧倒的な店舗数となる東京・愛知・大阪の三大都市圏では、中食改革や物流効率化により質量ともにナンバーワンチェーンをめざす。そして、この地域での躍進を全国に波及させたい」と強調した。一方、ユニーグループのスーパーマーケットについては、食料品売り場の強化や自主売り場の縮小などの改革を進める予定。 また2016年度は、日本郵政との提携によりゆうちょATMの導入店舗拡大や新たな物流サービスなどにも取り組む。 (取材・文:具志堅浩二)