昨年のU18代表、国学院大・緒方漣が大学1号「振る力は養えた」父との猛特訓で木製の感触つかむ
<東都大学野球:国学院大3-1亜大>◇第3週最終日◇22日◇神宮 国学院大が亜大に粘り勝ちした。同点で迎えた8回、柳舘憲吾内野手(4年=日大三)の右越えソロ本塁打で勝ち越し。9回には、昨年のU18日本代表で活躍した緒方漣内野手(1年=横浜)の大学初本塁打で突き放した。今季初勝ち点を挙げ、亜大、駒大と並んだ。負ければ最下位が決定していたが、踏みとどまった。2部は東農大が24年ぶりの優勝を果たし、6月25日からの1部2部入れ替え戦に臨む。 ◇ ◇ ◇ 緊張の場面も、緒方は楽しんでいた。8回に1点勝ち越し、迎えた9回。無死からスライダーを左翼席へ運んだ。「開幕戦からスタメンで使っていただいたのに、チームに貢献できていなかった。ヒリヒリする緊張感。楽しめていると思います」。5試合で先発出場したが結果を出せず。この試合は8回の守備から出場。チャンスをものにした。 大学で活躍する準備はできていた。昨秋「振る力」を課題に練習に取り組んだ。野球部寮を退寮すると夜は自宅で父健之さん(44)と近くの公園で羽根打ち。「父との練習は中学以来だったので懐かしかったです」。連日1~2時間に及び、いつも厳しい父が筋肉痛で悲鳴をあげる程だったという。「全球、思いきり振ることをテーマにした。振る力は養えたかな」。木製バットの感触をつかんだ。 身長167センチ、68キロと小柄でもパワーは負けない。「小柄な選手は単打と言われたくない。率も当然。捉えたら長打にする力をつけたい」。規格外のプレースタイルで大学野球界に新風を巻き起こす。【保坂淑子】