全産業「人手不足」、働き控えの労働者が影響か…最低賃金引き上げで「103万円の壁」意識
財務省徳島財務事務所が発表した10~12月の徳島県内企業の景況感などを示す「法人企業景気予測調査結果」で、「人手不足」と回答した企業の割合が2004年の調査開始以降、最高となった。県内では11月から、最低賃金が980円に引き上げられた。これによる働き控えなどが影響したとみられる。
県内の90社から回答があり、従業員数が「不足気味」と答えた企業の割合から「過剰気味」の割合を引いて算出。全産業で不足が過剰を上回るプラス46・7(前期プラス39・8)。このうち非製造業でプラス58・5(同プラス50・0)、製造業ではプラス29・7(同プラス25・0)だった。
背景には、最低賃金の引き上げで「103万円の壁」を意識して働き控えをする労働者がいることなどがあるという。全産業では来年3月末の見通しはプラス42・2で、人手不足が続くとみられる。
一方、企業の景況感を示す景況判断指数は全産業でプラス12・2(同マイナス1・1)。製造業がプラス5・4(同マイナス8・3)、非製造業がプラス17・0(同プラス3・8)だった。企業からは「円安や香港便の就航でインバウンドが増加した」(宿泊業)、「相次ぐ災害で河川や水路の改良工事の受注が増えた」(建設業)といった意見があった。
同事務所は、翌期(来年1~3月)の景況感では全産業で悪化するとみており、「物価高や海外情勢が県内経済に与える影響を注視していく」としている。