あべのハルカス 地下の巨大時計に半分表示がない理由とは
あべのハルカス 地下の巨大時計に半分表示がない理由とは 報告:岡本ゆか 撮影・編集・ナレーター:柳曽文隆 音楽:GISO THE PAGE大阪
大阪市阿倍野区にある日本一の超高層ビル「あべのハルカス」。その地下1階の天井に巨大時計があるのをご存知だろうか。しかし、この時計、右半分は吹き抜けになっており、針だけで正確な時間がわかりにくい気もする。いったいなぜ、この時計は存在しているのか。関係者に話を聞いてみた。 【360度画像と動画】地上300メートルの「断崖絶壁」あべのハルカス屋外デッキへ
時計の大きさはタテ20メートル、ヨコ10メートル
「ここは『時計の広場』という名称で、あべのハルカスの玄関口の待ち合わせ場所としてご利用いただいています」と笑顔で語るのは、あべのハルカスPR担当の酒井美紀さん。 この広場は、Osaka Metro天王寺駅からすぐに入れる場所で、多くの人が待ち合わせに利用している光景が見られた。 取材時に、この付近で待ち合わせをしていたという東住吉区の30代女性は「近鉄で友達と買い物する時は、いつも時計の下で待ち合わせてます。半分は見えないけど、この前の待ち合わせの時は人が多かったけど『長い針のいちばん先のところにいてるよ』と言うたら会えました。かなり大きいですよね」と笑顔で話していた。 酒井さんに時計の大きさを聞くと、タテ20メートル、ヨコ10メートル。時計の針の長さは長針が4.77メートル、短針が3メートルあり、数字の大きさはタテは約2メートル、ヨコが1.2メートルあるという。
右半分の表示がない理由は
これだけの大時計だが、どうしてここに作ることになったのだろうか。酒井さんによると、日本一の超高層ビル、あべのハルカスの玄関口として、なにか「動的なモニュメント」を作ろうという話になり、結果的にはこの時計の設置に至ったそうだ。 しかし、この時計は右半分が吹き抜けになっており、時間でいえば1時台から5時台、分数でいえば1分から29分までの正確な時間は読みづらい。 なぜ、吹き抜けにして、右半分を見えなっているのか。理由を聞くと、これは防災上、火災が発生した際に煙を外に逃がす「排煙開口部」を作らなければならないためだ。 「実は、この時計を企画した際は、排煙開口部で右半分が見えないため『やっぱり時計はやめよう』という意見も会議で出たそうですね」と酒井さん。 しかし「待ち合わせ場所といえば時計だよね」「機能しなくても、時計なら大きな目印になる」という意見も強く、最終的にはこの大きな時計の設置が決まったという。