藤井聡太が小学3年で指した絶妙手とは? トップ棋士の子ども時代のスーパープレー
■第10問解答
▲2四香(解答図) あふれ出る才能 渡辺は6歳で将棋を覚え、小学2年生になった頃には初段になっていたという。これだけでも驚きだが、その2年後の4年生で小学生名人戦を制したというのだから、渡辺の将棋の才能には脱帽せざるを得ない。 決勝の相手は長生治彦さん。問題図はよく見ると渡辺の角損で、次に△2七歩成が見えている。先手はかなり忙しい場面だが、玉を堅く囲って細い攻めをつなげるのはいまも昔も渡辺の真骨頂だ。図で▲2四香と打ったのが盤上この一手の好手だった。△2七歩成に対して飛車を逃げるのではなく▲2二とと王手で入るのが狙いの一手。△同金には▲1一飛成があるのでこのと金は取れない。後手はやむなく△4二玉としたが▲1二飛成。飛車を成り込むことに成功し、攻めがつながった。
■第11問解答
▲8三金(解答図) 大棋士へのスタートライン 第19回大会では初めて東西に分かれて予選が行われ、182名が参加した。これにより、前年の119名から一気に参加者が増えることになった。その中で小学4年生の渡辺の快挙はすばらしい。図では▲2二香成としてさらに▲2四歩~▲2三歩成と右辺からガリガリ攻めるのも有力でそれでも先手勝ちは揺るがないが、渡辺の放った▲8三金がセンスのよい手。こうすることで左右挟撃の態勢になり、より負けにくくなる。 解答図から△9一飛▲7三金△6一飛に▲8四桂が俗手の好手で、確実な寄せだ。対局後には「プロになりたい」とコメントした渡辺。その後、史上4人目の中学生棋士となり、タイトル獲得31期を数える大棋士となったのはご存じの通りだ。