旧文通費改革、衆参でヒアリング 使途の範囲や公開、残金が論点 年内法改正へ議論本格化
参院は22日、国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)改革を巡り、有識者への聞き取り調査を行った。衆院側は8月に実施しており、今月20日には与野党7会派が改革に向けた協議会の初会合を国会内で開いた。いずれも使途の範囲や公開の在り方、残金の扱いが主な論点となっている。年内の法改正に向けて衆参両院で意見集約を目指す。 【時系列でみる】調査研究広報滞在費を巡る経過 22日は参院の牧野京夫、衆院の浜田靖一両議院運営委員長(いずれも自民党)が、郡司彰元参院副議長と国立国会図書館職員から聞き取りを行った。25日には山東昭子元参院議長(自民)からも意見を聞く。3人への聴取内容を元に、法改正に向けた作業に着手する。 牧野氏によると、郡司氏は「使途の範囲はできる限り広げるべきだ」との考えを示した。その上で、使途の公開や残金の返金の必要性を唱えた。 終了後、牧野氏は国会内で記者団に「地方選出議員や全国に比例区のある参院など、さまざまな立場があることも踏まえて旧文通費の在り方を検討していくべきだ」と述べた。また、与野党で旧文通費の在り方を検討する協議体を来週にも設置する考えを示した。 一方、衆院では20日に開かれた協議会で、座長に自民党の村井英樹氏が就任。衆院議運委の筆頭理事を務める村井氏と青柳陽一郎野党筆頭理事(立憲民主党)が参院での協議状況を踏まえ、今後の議論の進め方を判断すると申し合わせた。 旧文通費は領収書無しで幅広い使途が認められ、国会議員の「第2の財布」とも呼ばれる。日本維新の会が使途公開による透明性確保を訴えてきた。