竜(ドラゴンズ)は秋の沖縄で爪を研ぐ・野手編~待ったなし3選手への熱き期待~
石川昂弥~もう「4番」に座ってほしい
石川昂弥にとっても、待ったなしの秋である。"将来の4番"と言われたのは、2019年(令和元年)ドラフト1位指名の時のことであり、その「将来」は5年経った今なお訪れていない。立浪和義監督の2年目だった2023年に121試合に出場して、ホームランも13本打ち、いよいよ覚醒かと思われたが、残念ながら翌シーズンは失速した。軽くスイングするだけで"飛ぶ"打球は、石川が持って生まれた才能であり、磨いてきた技術である。
笑顔封印で"恐い"打者へ
ドラフト会議では、福岡ソフトバンクホークスの王貞治会長が「欲しい」と認めたほどの打者。ここまで5年間の歩みが、まどろっこしくて仕方がない。どうしても優しい笑顔が浮かんできてしまう石川昂弥。秋の沖縄では、そんな笑顔を封印して"恐い打者"へと一皮むけることに期待したい。残念ながら、手首の不調で別メニューにもなったが、そんな状態すらお構いなく、バットを振り続けるような"乱暴な"一面も見てみたい気がする。背番号「25」がスタメン発表で4番目に場内アナウンスされ続けることが、井上ドラゴンズの生命線になるはずだ。 【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】 ※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が"ファン目線"で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲 愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。CBCラジオ『ドラ魂キング』『#プラス!』出演中。
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