『十一人の賊軍』山田孝之×仲野太賀、生きるために抗う!東映が令和に放つ集団抗争時代劇
Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1215回】 シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。 【写真14枚】『十一人の賊軍』山田孝之×仲野太賀、生きるために抗う!東映が令和に放つ集団抗争時代劇 ほか 今回は、現在公開中の『十一人の賊軍』と『イマジナリー』をご紹介します。
『十一人の賊軍』こんなところで死んでたまるか!
『日本侠客伝』シリーズや『仁義なき戦い』シリーズなどを手がけ、東映⻩⾦期の礎を築いた脚本家・笠原和夫。彼が1964年に執筆した幻のプロットをもとに、白石和彌監督が映画化した『十一人の賊軍』。1868年、戊辰戦争の最中に起こった歴史的な事件を背景に、憎き藩のために命をかけて砦を守らなければならない罪⼈たちの葛藤を描き出したサバイバル・アクション時代劇です。
『十一人の賊軍』のあらすじ
鳥羽・伏見の戦いをきっかけに、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍「官軍」と、旧幕府軍による戦争が勃発する。 陸奥国・出羽国・越後国の諸藩は官軍に対抗するため、奥羽越列藩同盟を結成。その同盟にやむなく加わることになった新発田藩だったが、新発田藩家老・溝口内匠は、密かに官軍への寝返りを画策していた。そんな折、新発田藩内で奥羽越列藩同盟軍と官軍が鉢合わせになりかねない絶体絶命の事態に。 なんとしても戦火を免れなければいけないと考えた溝口内匠は、一計を案じる。 それは、官軍の進撃を食い止めるために砦を守ることだった。この決死の護衛作戦に集められたのが、十一人の罪人たち。殺人、賭博、火附け、密航、姦通…。様々な罪状を持つ彼らは、「砦を守り抜けば無罪放免」という契りを信じて、過酷なミッションに挑む……。
『十一人の賊軍』のみどころ
ダブル主演を務めたのは、山田孝之と仲野太賀。山田孝之は妻を寝取った新発⽥藩⼠を殺害したことから罪人となった政役を、仲野太賀は剣術道場の道場主・鷲尾兵士郎役を熱演しています。 また賊軍として戦う罪人集団には尾上右近や岡山天音、千原せいじ、鞘師里保、佐久本宝、⼀ノ瀬颯、松浦祐也、⼩柳亮太が集結。 ここに、京都東映撮影所を拠点に活動する殺陣技術集団・東映剣会のメンバーである本山力が加わり、気迫あふれる見事な立ち回りを披露。その達人技は必見です。 さらに野村周平、音尾琢真、玉木宏、阿部サダヲといった実力派俳優たちが、罪⼈たちの運命と深く関わりを持つ⼈物として登場。 様々な思惑が絡み合う重厚なドラマが繰り広げられます。