これが世界トップのドライバー……ニック・デ・フリーズから既に“違い”を感じるIMPUL星野一樹監督「ずっと質問の嵐です」
スーパーフォーミュラは今週末(8月24日、25日)にモビリティリゾートもてぎでの第5戦を迎えるが、ここからの2大会3レースは、昨年アルファタウリ(現RB)からF1に参戦したニック・デ・フリーズがITOCHU ENEX TEAM IMPULから出走する。元F1経験者の外国人ドライバーがスーパーフォーミュラにデビューするというケースは、2014年のヴィタントニオ・リウッツィ以来10年ぶりとなる。 【動画】2024年スーパーフォーミュラ第4戦富士:決勝ハイライト デ・フリーズがF1に参戦したのはわずか半年だが、その実力は他のカテゴリーで度々見せつけてきた。2019年にはFIA F2でチャンピオンに輝くと、2020-2021シーズンのフォーミュラEでは激戦を制してワールドチャンピオンに。現在はWEC(世界耐久選手権)の最高峰クラスにトヨタから参戦している、世界を代表するドライバーのひとりだ。 そんなデ・フリーズを、トヨタとの協議の末に迎え入れられたことに関して、TEAM IMPULの星野一樹監督は喜びもひとしおといった様子だった。 「興奮しています。僕は海外レースをかなり見ますが、その中でもニック・デ・フリーズはスターですよね。その彼がチームに合流してくれるのは光栄ですし、チームをやってきてよかったなと思います」 そう語った星野監督。デ・フリーズは木曜からサーキット入りをして準備を進めているが、チームに合流して間もない状態。しかしそんな短い付き合いながらも、星野監督はデ・フリーズの振る舞いに感銘を受けているという。 「いやあ、びっくりしてますよ」 「これは若手のドライバーも見習った方がいいなと思いますが、来る前から、自分のできる事前準備は何なのかを明確にリストアップしています。僕たちと(対面で)会う前に、僕とエンジニアとオンラインミーティングで話しておきたいと提案してきて、クルマのこと、サーキットのこと、タイヤのことを聞いてきました」 「そういう準備は、上まで登り詰めた人でも怠らないんだと。そういう真面目さはすごいなと思いました。誰も行き当たりばったりでやっているわけではありませんが、準備の仕方は人によって違いますよね。彼はとにかく自分の分からないことがないように、ずっと質問の嵐だし、事前準備はすごいです」 「(ピット作業練習では)自分もクルマを押すのを手伝ったり、振る舞いからしても『一流ってこうなんだな』と思わされます」 そんなデ・フリーズを迎える今回のレースは、上り調子のTEAM IMPULにとっても一層気合の入るレースだろう。開幕当初は苦しいスタートとなったインパルだが、第4戦富士では国本雄資が6位、ルーキー平良響が9位と、ダブル入賞を果たした。 星野監督は次のように語る。 「前回の富士ではふたりとも素晴らしい走りをしてくれました。雄資も復活の狼煙といった良いレースを見せてくれて、本人もモチベーションは高いですし期待しています」 「平良も新人とは思えない走りでポイントを獲りましたし、最終戦(鈴鹿での第8戦・第9戦)を走るチャンスがあって個人的にも良かったと思っているし、富士以上に暴れてもらいたいです。こういったチャンスは全員に与えられるものではないので、絶対に活かして欲しいですね」 「ニックに関してはその実績が証明していますし、言うことはないですよね。クルマさえ普通に走れば結果は出ると思っているので、その邪魔をしないように良いクルマを提供したいですね」
戎井健一郎
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